仁奈は持ち前の性分で、雪合戦をしようと言い出しかねない雰囲気だったが、寒かったのでやめた。ほう、とため息をつく。六花の言葉を聞いて自分は山奥に来たのだという実感が改めて湧いてきた。と同時に村の暮らしが思い出されてすこし悲しくなった。顔が自然と沈んだ顔になる。だが、ここの暮らしも悪くない。早く慣れよう。そう思った仁奈は、「朝ごはん作ろう。お腹空いた」そう笑いかけた。
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