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【路地裏/漆夜輪廻】


　排除対象の気配を察知して暗い道の先を見据えていた輪廻だったが、背後から忍び寄るもう一つの気配に気付くと直ぐ様そちらを振り向き地を蹴って距離を詰め、鼻と鼻がくっつきそうな程に顔を近付けて相手の顔を覗き込んだ。
　そう遠くない場所に在る吸血鬼の気配に輪廻の気が立っていた事もあり、また、輪廻が最低限の情報しか記憶しようとしない人間であることも災いし、輪廻は『このお方は、おそらく多分そこそこ吸血鬼っぽいような気がする』という曖昧な判断の元、瑠璃那に敵意を向けて口角をぐにゃりと引き上げる。

「あれえ？……キミはゴミっぽいですね？ウンウン、そーですよねえー？そおーなると、ええとー……そうだ！僕が排除してあげましょう！」

　輪廻は楽しそうな声色でそう言い放つと闇に濁っていた筈の瞳をキラキラと輝かせ、その身に背負った巨大な鋏に手を掛けた。しかし突然その動作をピタリと止めると、顔から表情を消し去り再び瑠璃那の顔を覗き込む。

「……あれ、やっぱり見たことあるような……？赤月の誰かサンでした？」

　そう唸るように呟き徐々に敵意を落ち着かせながら残念そうに手の位置を元に戻すと、灰色の瞳からは目を逸らさずに「えい」と瑠璃那の頬を突く。腹いせのつもりだったのか、ふん、と鼻を鳴らしながら顔を離し、そこで漸くその髪色に気付いたのか「おおっ？僕とオソロイですー？少しだけ！」とその顔を崩して笑う。

「それで、こんな所でどうしたんです？」

　先程までとは打って変わり、至って普通に瑠璃那にそう問い掛けながらも輪廻の興味は先程発見した吸血鬼の気配へと切り替わっていた。しかし忽然と消えてしまったその気配を探るように明かり一つ無い道の先……闇の中の一点を鋭い目付きで見据えていた輪廻だが、不意にそちら側から姿を現した相手を見て再び目を見開くと、その相手……ウラジミールが自分に怒声を浴びせる為にその場に現れたとでも思ったのか、珍しく動揺を露にした様子で後ずさった。

「たっ、隊長殿……何故ココに！僕は、そのっ、変なコトはしてませんです……！」



【おおお！お二人ともこんな得体の知れない子に絡んで下さってありがとうございます！
　輪廻は荒れ地を抜けて街中の路地裏まで行く描写をしてしまっていたので、瑠璃那さんがそこまでついて来て下さっていた…って感じのスタートにしてしまったのですが、大丈夫でしたでしょうか？絡み文の文章も分かりづらく私の読解力も低くて大変申し訳ありません……！
　では三人という事で、このままの順番で回して行ければと思うので宜しくお願い致します！】




>>95

【設定了解しました！大丈夫です、ありがとうございます。裏葉さんについての設定を追記させていただきましたのでご確認お願いします！もっと刺々しい関係が良い、など要望があればその都度修正致しますので宜しくお願い致します！本編で裏葉さんと絡むのを楽しみにしています^^】