二次なりきり掲示板
- Re: 『 トロイメライの隠し場所 』 -本編解禁- ( No.126 )
- 日時: 2015/08/08 07:32
- 名前: ナタノ (ID: S2/Ss8/E)
>>117 & >>125
【時計台の階段にて→明日葉 萌】
手に持った懐中電灯がゆらゆらと萌の足元にある階段を浮かび上がらせる。萌は背を丸めて懐中電灯を精一杯前に伸ばしながら恐る恐る前に進んで居た。暗いところが苦手なくせにどうしてこんな所にいるのかといえば、理由は一つだけ。
萌は本日の寝床を時計台に決めたのである。萌は無所属の吸血鬼である。しかしそれには何かのポリシーがある訳ではなく、ただ単に組織の存在を知らないほどの新参者なだけである。それゆえに彼女は確立した寝床を確保することも出来ず、日々ひと気のない建物を探してはそこに一日から三日ほど寝泊まりするのが通常と化していた。
「うぅ、こんなに暗い所とは思いませんでした。…ひぃ!懐中電灯が…風前の灯火!もうアレだ。普段の私の行いが悪過ぎて我らが父上がお怒りになってらっしゃるんだ。ごめんなさいどうしようもないクズですみません」
電池切れかチカチカと点滅を始めた懐中電灯に泣き言を言いながら萌は一気に屋上までつこうと走ることにした。懐中電灯をぎゅっと握りしめ、シスター服の裾をはためかせながら走る。鉄の仕込まれたブーツがカンカンと鈍い音を立てて萌は半分以上目をつぶったまま走り続けた。終わりは突然に訪れた。
目を半分以上つぶったままだった萌は目の前の存在に気付けず凄い勢いでぶつかったのだ。うぇ、と奇妙な鳴き声をあげて萌は地面にぶつかった。
「か…壁?」
鼻の骨が折れたかも、と目を開けると目の前には一組の男女が立っていた。しかも女は男の腕を掴み、男は女から逃れようと身をよじり足を踏みつけていることから相当の修羅場なのではないかと想像できる。面倒くさい場面のきちゃったなぁ、と萌は眉をしかめた。もしかしてこの男女はここで寝泊まりする気だろうか。やめてほしい。いまこの時間帯から消えかけの懐中電灯を携えて新しい寝床を探すのは辛いものがある。
「え…あの…しゅ、修羅場ですかね?
できればここに泊まりたいので痴話喧嘩でしたら場所を移していただけるとシスター感動なんですけど…」
(ちょっと強引ですが乱入させていただきました)
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