二次なりきり掲示板

Re: 『 トロイメライの隠し場所 』 -本編解禁- ( No.129 )
日時: 2015/08/08 16:30
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)

>>128 & >>126

【時計台の階段/真谷才蔵】

「そっちから仕掛けて来たのに何怒ってんの……」

被害者の様なことを不満げに口走る少女に、才蔵は少し苛立ってふて腐れた声でそう言った。

「てかいい加減にこれ放してって! ぐあああ、もうだから痛いって言ってるじゃんかよぉっ!」

悲痛に満ちた才蔵の声が響いては消えていく。顔をゆがめてなんとか霜乃の手から逃れようと思い切り後ろに体重をかけて綱引きみたいに引っ張った。しかし霜乃も女子供とは思えないような力でこちらを抑え付けているだけあってやりすぎたらもげとれそうですらあった。
不愉快そうにする霜乃の声や表情は、こちらに襲いかかってきた割にはまるで被害者の様であり、乱暴を一貫する霜乃に対して芽生えるのは恐怖心の他に、初めて同種に襲われたことへの混乱と、苛立ちだった。

「不味い血? そんなのおれに言われたって知らないよ。……なんだよ、せっかく仲間に会えたと思って嬉しかったのに、こんなの酷いじゃんか」

人間染みたセリフを泣きそうな声で吐いて、才蔵はあはは、と嘲笑った。それは霜乃に対してか、あるいは油断をした自分自身へだったのか、自分でもよくわからなかった。
ともかくハッキリ言って、アルプ・トラウムの福リーダーは自分に対する脅威であると、才蔵はそう認識した。
嗚呼、絶望的だな。こんなところで同じ吸血鬼に喰われてしまうなんて。才蔵は半ば自分の運命を諦めそうになった。しかし、今までのことがすべて吹っ飛ぶようなことが起きる。

「どわあっ!」

(え? 何!?)

この重たい空間を打ち破るかのように何かが唐突に才蔵の背中にぶつかってきた。思わずまぬけに声を上げた才蔵は自分が前のめりになって倒れそうになるも元々重心がかなり後ろに行っていたせいかバランスを保つことはできた。下手をしたら霜乃も巻き込んで大転倒していたかもしれない。

「……ったたた……え、なに? イノシシが突進してきた……?」

唐突のことにまた困惑してそんなことを言った。いやしかし、その衝突具合が結構すごかったのも事実で……いや、そうではなかった。いったい何が起きた?
ふと電気の光が目に留まる。それを持っているのが才蔵の言うイノシシの正体のようだった。舌の方に目をやればそこにいるのは自分と同い年くらいの女性の様だった。正式な名前は何と言ったか忘れたが教会なんかで働いている人がよく来ている黒い洋服を着ている。

イレギュラーな存在が吸血鬼だと言うことに気付いた。今のショックとその人の言った冗談みたいな言葉がなんだか可笑しくて、才蔵の必死さは何処かへ行った。
面倒臭そうに一言説明をした霜乃に才蔵も続いた。

「いやー、ちじょうのもつれ? とかで揉めてるわけじゃないんだよー。おれ達ぜんぜんそう言うんじゃないし」

ね? と霜乃に軽く同意を求める。

「うるさくしてごめん。 でもおれ、別に此処に泊るつもりないしさ、この霜乃ちゃんから逃れ次第すぐさまお暇するからその、あんまり気にしないでね、シスターさん」

気にするななんて無茶だろうに。けれどもなんだか彼女の存在は今の大ピンチに少しだけゆるさを与えてくれたものだから才蔵は心底ほっとしたし心の中で感謝さえした。彼女が現れなかった白い手錠は外されること無くどう見ても年下と思われる華奢な少女に血を吸われる運命にあっただろうから。
腕の拘束が取れた才蔵は「よしっ」と小声で喜んで、階段を一段降りた。自由になった。これで逃げられる。

「助かったよシスターさん。これもらって」

そう言って名も知らぬシスターの肩を叩くと、さっとその手に何かを握らせて、才蔵は風の様に出口に向かって疾走した。

「アルプ・トラウム、か……気をつけなきゃな」


>>お二方

【すみません; せっかく萌さんが入ってきてくれたのにこの状況でナチュラルにこの場に残る方法が思いつかず一旦離脱させていただきました(´・ω・`)ご迷惑をおかけしてしまって申し訳ございません。そして相変わらず文章めちゃくちゃで恥ずかしい限りです涙】

>>フレア様

【なーるほど……有難うございます>】

>>鯨様

【絡み文ありがとうございます!】

>>緋織様

【鯨様が文投下されている様なので絡みに行ってみてはいかがでしょう??】

>>ナタノ様

【才蔵が握らせたアイテムについてはアドリブでお願いしますbb((考えるのが面倒だったとかじゃないです全然((】