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【時計台から何処かへ続く道の途中/真谷才蔵】


（嗚呼おれ、死/んでるんだ）

走っても走っても、才蔵の心臓が声を上げて騒ぐことは決してない。それは才蔵が失った唯一の生きる喜びだった。
目を閉じれば思い出すのは才蔵にとっての青春。薄情で冷たくて自分本位な自分を隠さなくていいあの時。放課後、風を切り裂いて走っては心臓の鼓動を感じる。あの時だけが幸せだった。

なのに今は、脈すらも無い体だと自覚するだけで心が渇いていく。

「……せっかく、食事したばっかりなのに」

どれだけ走っても才蔵は疲れない。その理由は造花が枯れない理由に等しい。

————真谷才蔵が生きていないからだ。

造花は枯れない。ただし生きてはいないのだ。

（まあいいよ。二度と死ななくて済むんだもん。トロイメライを見つければ100%それが現実になる)


「さて、もうそろそろ“還ろう”かな」


【才蔵も先程の続きの如く動かしてみました。絡んでやんよ！　という方もしくは割り込んできても良いよ！　というお二方、いらっしゃっいましたら絡んでくれるかお声を掛けていただけるとありがたいです】