二次なりきり掲示板
- Re: 『 トロイメライの隠し場所 』 -お知らせ- ( No.178 )
- 日時: 2015/08/10 21:25
- 名前: ナタノ (ID: S2/Ss8/E)
>>165
【寂れた公園/真谷 色人】
「ふふ、ありがとう。このベスト、自分で縫ったのだけれど似合ってるなら嬉しいわ」
色人はベストに目を落とした。昔、店で仕立ての良いベストを見て欲しくなったのだが、とても手が出せる値段で無かったため見よう見まねで自分で作ってみたのだ。
手渡した包装紙を立花はまるで子どものように目を輝かせながら開いている。輝く瞳はまるで大きな宝石のようで綺麗だった。そこまで嬉しそうにされると色人も嬉しくなって彼女が包装紙を開いていくのを微笑みながら見守る。意外にも表情豊かな彼女の一挙一足投を見守るのはこちらまで楽しくなる。
気に入ってもらえたのは一目で分かったが何故か立花はそれをもらうのを少しばかり遠慮しているようだった。少しばかり考えてその理由を思い当たった色人は立花の小さな手からコサージュを取ると、フリルで溢れた彼女のドレスエプロンの胸元にそっとコサージュを取り付けてやる。小振りなそれはフリルの中でもしっかりとその存在を主張し、しかし服のバランスを乱すことなく慎ましやかに立花の胸に咲いた。
色人はコサージュの向きを丁寧に調節し手を離すと眩しそうに目を細める。
「ほら、よく似合うわ。ハナさんは名前に花って文字が入ってるだけあってお花をモチーフにしたものがとても似合うわね」
ほら、その頭の飾りとか。と色人は立花の髪を指差す。本当に名前のように花のような人だ。その可憐な姿も、花が開くような笑みも。
「ねぇハナさん。これ貰ってちょうだいよ。これはハナさんがつけるのが一番似合うと思うわ」
立花は子どものように見えても子どもではない。子どものように何の遠慮も憚りもなく物事を捉えられないのだ。なんだかちぐはぐね、と色人は思う。子どものように微笑んだかと思えば大人びた面も見せる。だから色人は尊敬と親愛を込めて彼女を『凛と立ち咲く花のように気高くて可憐な人』、ハナさんと呼んでいる訳だけれど。
>>176
【時計台の上/明日葉 萌】
もう何年も誰も触っていなかった頭を撫でられて萌は頬を赤らめた。まだ教会に入ったばかりの頃は神父様がよく頭を撫でてくれたっけ、と萌は思い出すと懐かしくてたまらない。そういえば霜乃は何才なのだろう。顔だけ見れば萌よりも年下に見えるけれどその動作や発する言葉はとても大人びていて知的だ。
トントンと軽やかにヒールを鳴らしながらギリギリラインまで下がる霜乃に萌ははらはらする。
「危ないですよ?」
彼女ほど人なら自分の力量をよく理解している筈だからきっと彼女はここから落ちても平気なのだろうけれど、萌の心臓にはあまりよろしくない。それから戸惑うような声の霜乃に萌は微笑んで頷く。
「えぇ、涼やかではないですか?凛として、サラリと流れるような爽やかなお名前だと思いますけれど。
え、何かお気に触りましたか?」
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