二次なりきり掲示板

Re: 『 トロイメライの隠し場所 』 -お知らせ- ( No.181 )
日時: 2015/08/11 01:00
名前: 緋織 ◆S2QRgg5fs2 (ID: XnbZDj7O)

>>178

【寂れた公園/真谷 立花】

自分の手からコサージュが消えると立花はすぐに付けてくれるのだろう、と察した。立花は少し複雑そうな表情を浮かべながらもじっと色人が付けているのを見つめた。意外と紳士的だなぁなんて考えているうちにコサージュを付け終わり色人の手が離れる。立花はつけられた新しい装飾品を見ると少し恥ずかしそうに笑ってお礼を言った。念を押されながら自分のものになったコサージュを立花は大切にする、とこくりと頷いて優しい手つきで撫でて見せた。
ついでに頭の飾りを褒められ立花は眉を垂れさせ目を細めた。同じ家の者だからなのか、あるいは色人の優しい人柄のせいか、立花はなんでも話してしまいそうな感覚に襲われた。

「…若作りみたいなものよ。似合っているかもわからない。…なんていうか、年を重ねているはずなのにね。時々自分がわからなくなっちゃうの」

変な話よね、と苦笑しながらも本当に気にしていただろう悩み事を軽く受け流す。「でも色人が褒めてくれて本当に嬉しいわ」と付け足すと少しだけ自信がついたような気持ちになった。
悩み事なんて、ようは気持ちの持ち方次第なのかもしれない。
自分の頭についていた花冠を静かな手つきで取るとぽんと色人の頭に手を伸ばして乗せてみる。ほんの遊びのつもりで立花はくすくすと笑うと思っていた以上に似合う色人に「とても可愛いわ」と微笑みかけた。
そも冠はすぐに自分の頭に戻る予定だったのだが、あまりにも似合う色人が面白くなってもう少しだけ、と取り外すのをやめた。

「私吸血鬼になっちゃって、こんな体になっちゃっても後悔はしてないのよ」

狩りは楽だし、家族もたくさんいるしね、と月に照らされた笑顔はどこか妖艶で立花が吸血鬼であることが強調される。それでもどこか孤独感はあるようで、立花は寂しげに俯いた。
周りと少し違う、そのことを色人は理解してくれるだろうか。もし分からなかったらとても申し訳がない。つまらないおしゃべりを淡々と聞かされてしまったのだから。
なんだか返事を待つのも心苦しくなって立花はあーあー、とどこか脱力したようにブランコの鎖を掴むと後ろに倒れこんだ。