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>>197

【廃校舎のグラウンド/世座】


　悠長に振り返りあまりにも大袈裟に驚いて見せた撫斬に世座は思わず盛大な溜息を付くと、何かを否定するように首を振って再び撫斬へと視線を向けた。

「違う違う。そんなリアクション求めてねーから。それに此処、俺の母校だかんな？居てもおかしくねえだろ」

　怪訝な表情でそう返した世座だったが、本当は相手のリアクション等どうでも良かった。何だか取り敢えず文句を付けたい、そんな気分だった世座は素直に自分の中の些細な衝動に身を任せただけだ。
　ああ、何だか若干腹が減った。そんな事を考えながら月を見上げれば、月ってどんな味がするんだろうか、とそんな事を考える。人間だった頃は何を食べても美味しく感じたのだが、今では自分が本来持っていた筈の味覚すら上手く機能してくれないのだ。

「ま、嘘なんですけど」

　母校だ、とそう告げた事をすっかり忘れていた世座は、その事を思い出すと撫斬に顔を向けてにこりと微笑んだ。続けて「面倒臭ェよなー、本当俺もそうなんだよー」と屈託の無い笑顔を見せると、突然また退屈そうに溜息を漏らす。

「普通に生きた結果が何も楽しくねえんだから、俺は普通な事をする気はないんだよなぁ。何で何をしてもこんなに楽しくねーんだろうな。お前は楽しそうだよなぁ、撫斬」

　撫斬にブツブツと愚痴を吐き出すようにしてそう言葉を返す世座は、改めて撫斬をじっと見詰める。
　涼しげな黒い瞳で此方を見ている撫斬は何やら毎日奇抜な服装で一人でも楽しそうに生きている。素直にその相手を羨ましい、とそう思いながら、何か彼の真似をしてみれば楽しくなるかと考えた世座は、撫斬の笑い方を真似して無表情のままキシシと声を響かせた。



【遅れてしまってすみません！ぶっとんでるというよりは本当に面倒臭い奴ですが……！撫斬さんが可愛すぎて天使のようだ。こちらも返信は遅めですのでまったりお相手していただけると嬉しいです！宜しくお願いします！】



>>201

【私もバッチコイだＺＥ☆です！楽しみにしております！】