二次なりきり掲示板
- Re: 【つくります】『 トロイメライの隠し場所 』【中立組織】 ( No.247 )
- 日時: 2015/08/25 11:13
- 名前: 鯨 (ID: CPiJAY.V)
>>235
【どこかへ向かう道の途中/落花 裏葉】
「金髪同盟…あはは、いいねソレ」
組んじゃおう組んじゃおうと裏葉は楽しそうに笑った。まぁ正確に言うと彼の髪の毛は金色では無いのだけれど。才蔵は穏やかな性格をしているらしく、嬉しいよと微笑んでくれた。裏葉はそれを聞いて不思議な心地になる。どうして彼は裏葉と同率に並べられて怒りを覚えないのだろうか。裏葉と才蔵では天と地ほどの差があるというのに。
「君は優しい子だなぁ…」
裏葉は目を細めて才蔵に微笑む。このような若々しい青年の口から『達者』なんて懐古の言葉が出てくるのに裏葉は少し驚いた。名前も祖父から貰ったものだと言っているし、もしかして彼はおじいちゃんっ子だったのかも知れない。見た目はまるでイマドキの青年なのに紡がれる言葉もその物腰もどこか年月を重ねたように感じるのは何故なのだろう。
「う、裏葉ちゃん…ね」
もう何年もちゃん付けで呼ばれていなかった裏葉の頬に血が昇る。二十歳を超えた女のちゃん付けは少々痛々しい気もしたが、彼の純粋な笑顔を見ていると一々訂正を入れるのも馬鹿馬鹿しくなり裏葉は曖昧に微笑んだ。
裏葉という名前を裏葉自身はあまり気に入ってはいない。名前の響きこそ柔らかではあるけれど、葉っぱの裏だなんて何て華のない名前だろう。しかも苗字は落ちた花と来た。
「そうかな?珍しい名前だねーってよく言われるんだけど」
握られたその手はひどく冷たかった。裏葉も体温はあまり高い方ではないけれど彼の掌の冷たさはそれを優に超えた冷たさだった。そう、まるで生きていないような。
裏葉は吸血鬼に遭遇した事が無いと思っている。誰より普通でありたいと深層心理で願っている彼女は、自らが吸血鬼を殺した事を忘れてしまうので。だから輪廻の手によって血に沈んだ吸血鬼しか見た記憶がない。だからこそ、才蔵のその手の冷たさが何を意味するのか裏葉には理解できなかった。
「…才蔵くん、人魚みたいだね」
裏葉は昔何かの本で読んだ一説を思い出す。人魚は常に水中にいて体温が異常に低いため、人間と触れ合うと火傷してしまうのだとか。才蔵の手の冷たさはまるでいままで水中にでもいたようだった。裏葉は少しだけ握る手に力を込める。この冷たい手に僅かでも温度を分けられるようにと。
「ありがとう、才蔵くんがいてくれれば百人力だね!そういえば才蔵くんは何してたの?お散歩?」
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