二次なりきり掲示板

Re: 【新組織】『 トロイメライの隠し場所 』【募集開始】 ( No.280 )
日時: 2015/08/30 13:13
名前: Dietrich (ID: 3YwmDpNV)

【夜中のある道中/ラヴレンチ=ヴォスコボエワ】

「何でって、君は吸血鬼とか怖いんでしょ? だったらそうやって自分で自分を守るようなことをしないとね。少しは安心するでしょ。ほら、これを持ってたらあいつらは君に触れられないかもしれない」

 微笑んだまま振り返り、両手を振って見せる。実際どうなのかしらないが、十字架が苦手なのは確かだ。こんな安っぽいおもちゃでも通じるのであれば万々歳である。あまり宗教感覚のない日本だからできることでもあるし。

「おかしいよねぇ、日本の吸血鬼なら数珠とかお経とかに恐れても良いと思うんだけど。もしかしたら聞くかもしれないね、南無阿弥陀仏とか南妙法蓮華経とか、数珠とかね!」

 今度試してみるのもありかもしれない。まぁいつ我々が吸血鬼に対峙するかも知らないが。もしかしたら今まさに仕事が行われているかもしれない。そうなると少しやばいなぁ、と一人思う。

「怖ければ自分で自分を守らないと。それが迷信じみたおまじないだったとしてもね。恐怖の対象に打ち勝てるようなことはくだらないおまじないでもやってみるものだよ。案外それが正解で、君は多くの人を救うかもしれない」

 おもちゃの十字架をあげておいて何を言っているのだろう。朗らかに笑いながらラヴレンチは言葉を紡いでいく。これでいて、結構自分は彼女を心配しているのだろう。

「人の価値観なんて人それぞれでさ、僕も対象外の一人なんだけど、子供って親と一緒に家で家族団欒してた方が似合うんだよ。その親と子の間に見えない壁があったとしてもね、一緒にいた方がお似合いだし、結構安心できるもんだよ。その十字架もね、信じられてなくても持ってるだけでお守りになるじゃん。効力があるかどうかは別として、そのおもちゃは吸血鬼を恐れてもいない人が持っているより、君みたいに心の底から恐れている人が持っている方が似合うんだ……っと、こんな言い方は失礼かな?」

 全て憶測で話したため、何処か申し訳なさそうにラヴレンチは苦笑した。この子が思春期独特の反抗記であるかもしれないこと、吸血鬼を心の底から恐れているかもしれないこと、全ては憶測である。

「羨ましいなぁ、君にはあったかいお家があること。僕にはそんな場所なかったもん、でもまぁ、今はある意味違う意味で仲間はいっぱいだから満足だけどね。もしかしたら君より幸福かも知れない」

 赤月の仲間の顔を思い浮かべてしみじみ言う。今ではあそこが自分の家だ。

「まぁ時には一人で考えたいこともあるだろうけど、そんなときは夜中に出歩くんじゃなくて……あ、そう! 映画を見たらいいよ、映画! いいよぉ映画って。全部ハッピーエンドで——違うものもあるけどね——綺麗できらきらしてて。いろんな事を教えてくれるからね! この時間でも小さな映画館は開いてることが多いし」

 にこにこと笑いながら今しがた見てきた映画のパンフレットを見せる。この時間帯ともなれば見に来る客も少ない小さな映画館だ。建物の中の方が外よりも安心できるだろうから。



純和風でおっとりとした人を作ってみたいと思いましてw 確認、登録ありがとうございます!