二次なりきり掲示板
- Re: 【新組織】『 トロイメライの隠し場所 』【募集開始】 ( No.288 )
- 日時: 2015/09/03 20:31
- 名前: Dietrich (ID: 3YwmDpNV)
【夜中のある道中/ラヴレンチ=ヴォスコボエワ】
「それ気に入ってくれた?」
ラヴレンチは嬉しそうにそう聞く。それは既に彼女に問いかける疑問形にはなっているものの、彼の中では既に完結した話しかけ方だった。ラヴレンチが渡した十字架を少女はじっくりと眺めていて、それだけで彼は嬉しかったのだ。
少しはこれで気分が晴れたらいい。久しぶりに抱いた純粋な気持ちに微かに自分も暖かくなる。まぁそれが相手にとって迷惑であってもこの際構わない。
彼女は何かを思い出すようにしたあと、急に頬を赤らめてかぶりを振る。その行動が可愛らしくて笑みを漏らすが、あまり見られているのもなんだろうと思いふいと再び前を向いて歩きだす。早く送り届けてやらないと。それが大人の義務だろう。
自分の中でそんな問いかけに自分で答えながら進んでいると、ふと珍しく彼女からこちらに疑問が投げかけられていた。どうやら先ほどのラヴレンチの言葉に突っかかりがあったらしい。こちらに声がかかる前、彼女が微かにラヴレンチの言葉を肯定するような事を呟いた気がしたが、その時の彼女の顔を見ておくべきだった。
「だって吸血鬼だよ? 生き物の生き血をすする怖い怖い悪魔、不特定多数の人物を襲う、誰しも関係ないとは言い切れない得体のしれない恐怖、その対処法を君はその十字架で証明するかもしれない」
再び振り返るラヴレンチの表情には、微かな冷徹さと狂気の色が見え隠れする。それでも目の前の可愛らしい少女を刺激しないよう、笑みを浮かべていた。明るい話をしているのだ、明るく、安全で、開けた未来。
まぁ人間にとっての、と言う意味でもあるが。
「そうすれば多くの人は命をすくわれる。だってそれを身につけているだけで住むんだからね。それに君と同じように不安を持っている人達の恐怖心も取り除くことができる、みんなが安心して外に出ることができるし、何よりも君は君を救うことで、君の周りの人間の君に対する心配や不安を取り除くことができる。これってすごいことじゃない?」
にこにこと笑ってそう言い終えたラヴレンチは再び目線を前に移した。この意見は彼女の解釈に任せるとしよう。これで彼女がこの可能性をどう思うかは自分の関わる領域ではない。
「あぁそうなんだ、それは良かった。僕の仲間内には話が合う人がなかなかいなくてね。そう言うマイナーな映画も知ってる人は少ないんだ」
まぁもともと、そういうものを必要としないところだからね。
苦笑とともにため息をつき、指示された方へと足を進めた。
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