二次なりきり掲示板
- ALL文 ( No.335 )
- 日時: 2015/09/18 23:37
- 名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
- 参照: 今回でアク禁になるんじゃないかと密かに心配している佐鳥です。
>>Dietrich様 or 肉球様 and 周辺の方
【橘花小路(裏手の突き当りにて)/小田島八千代】
輪郭の不明確な丸い月が、灰色の雲によってあらわれては消え、消えては現れを繰り返す。そんな空の下をゆったりとした気味の悪い風が駆け抜けていく。今夜の風は心地が悪い。べっとりとした湿り気があってそれが八千代の黒髪を微かに揺らしては過ぎ去る。しかしそれを特別不快だとも思わない。人間であれ、吸血鬼であれ、この地球に居るならば、そう言う日だってあって当たり前なのだから。瑣末なことだろう。誰の目にもつかないようなこの路地裏で起きた惨劇にくらべれば。
テナント募集の看板の目立つ建物、回っていない換気扇、営業しているのかどうかも分からない小さな店の後ろ姿。それに隠された小さな闇の中は噎せ返る様な鉄の香りが漂っていた。
自身が腕に抱いているその人の首筋に開く穴を舌の先が蛇の様に何度も撫でる。地面に滴らせることが無いように、自分の着ている着物が汚れないように、八千代の舌は楽しむようにその人を最後まで味わうことに興じるのだった。嗚呼、美味しい。爽やかで軽くて角の無い口当たり。癖のないまろやかさが八千代の癖になって、もっとこれを味わいたいとすら願ってしまう後を引く味。嗚呼、幸せが満ち足りる。
最高の血液を摂取出来たこと、それによって与えられた満腹感。その幸福に八千代はうっとりとした気分と、それを表したような目つきで微笑んだ。
「美味しゅうございましたえ。どうも有難う」
吸血鬼は立ち上がり、閑散たる街を行く。
【※ちなみに橘花小路は今私が適当に考えた名前であって実在するものとは何の関係も有りません。
取り合えず、八千代を投下させていただきましたのでDietrich様あるいは肉球様、またはお二方ででも構いませんので、絡んでいただけるとありがたいです。後に、千草の方も投下したいと思います】
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