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>>368【夜中の公園/雨乃宮】
あァクソッたれ、心の中でそう叫べばブルンっと鎌を振って銃弾を弾きかえす。基本的、雨乃宮は一人では戦はない。今の様な気分や暇つぶしで戦う時はあったが、それでも限度がある。普段は霜乃か自身のパートナーと戦うため、一人にはそこまで慣れていないのだ。

舌打ちを一つ、訳のわからない暗号を叫んだ三宮が煙の中から出てきたのを見て後方へと跳んだ。不味い、右目の視界が少し赤くなったのを感じてそう思う。雨乃宮の魔術には制限があり、それを超えたり近くなったりすると体に異変が起きるのだ。1時的なものもあれば、一生ついて回る様なものもある。今回は前者だと思うけれど。

「ッし、逃げるか」

グルンと鎌を回して煙を払えば、首をコキコキと回してじっと暁の隊員たちを見つめる。きっとこのことを言えば姫さんは怒るんだろーな、なんで呑気に考えつつも、口から出る言葉は毒でしかない。

「選べ、ここで俺と戦うか。このまま俺に何もされないで逃げるか。あとで姫さんが来て赤月壊滅させるか。なァ、どれが最善かぐらいわかるだろォ？」

ニヤリ、目を細めて笑うその姿は、吸血鬼でなく命をむしり取っていく死神だ。大鎌が月明かりに反射して光り、膝をつく赤月隊員を映し出した。