二次なりきり掲示板

『 トロイメライの隠し場所 』 ( No.382 )
日時: 2015/09/30 15:13
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)

>>379

【赤月本部/上脇助次郎】

 ほんの少し前まで、目の前の少女は外部からの客を相手にする時に浮かべる様な笑顔でこちらに対応していたのだ。しかしこの凄まじい変わり様は何か。否、論ずるまでもなくそれは助次郎自身に原因があるものだと本人ですら解っていることだが、此処まで露骨に悪意やら敵意をむき出しにされたことは助次郎は赤月では大よそ初めてといっても良いことだった。
 彼女へのこれまでのソツのない仕事人のでかい女という評価は見事にひっくり返る。どうにも目の前の少女はそれだけでも十分だというのに厄介な性質を兼備した猛者だったらしい。
 こちらを蔑み、それをまるで楽しんでいるみたいに、ちゃちなやり返しをするヴェレーノは表情とは裏腹に、何やら力一杯に自らの腕を抑えていて、どう見てもそれは爪が肌に喰いこんでいるように見えた。暴れたいのを我慢している蛇のようで、表情こそは大人を達者な口で馬鹿にする子供のようだけれど、随分と余裕がないように見えた。
 
 しかしその口の減らなさに助次郎のフラストレーションは溜まる一方で眉目の皺が深くなる。ふてぶてしい言い訳は酷く子供じみているが、逆にこんな殺伐とした仕事に就いてもある意味こうも人間らしく育つんだなという嫌味な感心ももつ。

「あーもうムカつく。だから餓鬼は嫌いなんだよ。あのさあ、君が慇懃無礼だろうと傲岸不遜だろうと僕は一向に構わないんだけど、それでも客の前ではマナーってものがあるでしょ? だからそのイラつく態度どっかに捨てろって言ってんの。君はそんなことも出来ない不器用な人間じゃないんじゃないの?」

続く彼女の言葉は、助次郎からしたら詭弁以外には形容しがたいような詭弁に聞こえた。嫌いな人間を相手にするから不遜な態度をとっているんだろうが。それを楽しんでいるとは厭味か。助次郎の怒気を孕む声は、次第にその感情を大きくしていった。以下にも欠陥が浮き立ちそうなイライラした目元に口元だけがひきつり笑いを浮かべていた。——しかし助次郎はそれを爆発する前にしぼませて、足を止めた。
ふう……とそっぽを向いて諦めたようにため息をつく。すると、白けた様に小さく笑い声を零し、また眼鏡の奥の目を芝居がかったような笑顔で細める。何だか疲れた。

「なら言い方を変える。オメーなんかじゃ僕が不愉快だわ。君みたいな躾のなってないガキと当てもなく隊長さん探しするくらいなら日を改めます。……なんか悪かったよ。忙しいトコお邪魔しちゃって。それじゃあごきげんよう」

 ニッコリとした笑顔を張り付けたまま、助次郎は方向転換をし、そのまま歩を進めるのだった。

【なんというか最初から最後まで不躾で申し訳ありませぬが色々とgdgdになる予感がしたものでこの様にさせていただきました。追っかけていただいてもあっかんべーで終わっても構いません;; どっちにしろイベントについては何とか致します>】