二次なりきり掲示板

上脇助次郎 ( No.391 )
日時: 2015/10/04 16:12
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)

>>384

【赤月本部/上脇助次郎】



無暗に引き延ばされた脚で進める歩は自然と早くなる。それは一秒でも早く此処から立ち去りたいと言う助次郎の思いが現れたからなのだろうと思った。
全く、どうして連絡も取らずに押しかけるなんて無謀な真似をしたんだろう。そんなことをしたって下手をすれば時間を無駄にするだけなのに。数時間前の自分をそうやって呪ってみてももう時間は元に戻ることは無い。それでも魔法使いか何かが現れてその無茶な願いをかなえてくれない限りにはきっと自分の心は穏やかさを取り戻すことが無いように思われた。

そうだな、その時の気分にもよるけどもしも体調に会ったら今日会ったことを端から端まで話してやるのも良い。あんな生意気は泣きを見ればいい。ざまあみやがれと劣悪なことを思い浮かべながら歩くと、突然にヴェレーノの声がした。先程の只管に湿っぽく心地の悪い声色ではない。ふてぶてしくポケットに突っ込んだ手により一定の位置を固定させた助次郎の腕を人の手がパッと捕まえる。当然ながら、ヴェレーノの手だ。
ふいに触られた助次郎は思わずぞっとしてその手を反射的に振り払った。他人に触られるのは生理的に好きじゃない。

「なんなの。まだ何か言いたいことでもあんの?」

苛々とした低い声は彼女を責めるような調子で不満そうに吐き出された。少し高いところから見下ろす彼女の様子を見るに、どうもそうではないと雰囲気は感じ取っているものの、それでも助次郎は苛立ちを抑えることは無かった。

しかし彼女はまたころころと打って変わって、捨て犬を思わすようなおどおどとした迷いのある女の子の様な態度に変わる。言葉は少し足りないような気がしたがそれでも謝意を顔いっぱいに表す少女に助次郎はまた噛み付いた。

「……ねえ、君のそれはなんなわけ? なんか企んでるわけ。人が変わり過ぎて怖いんだけど」