二次なりきり掲示板

【お知らせ】『 トロイメライの隠し場所 』【>>406】 ( No.410 )
日時: 2015/10/15 20:25
名前: Dietrich (ID: FuKHJlgI)

【橘花小路/香坂 誉丸】

「あなたも、大分落ち着いて見えるよ。女性に年齢を聞くなんて失礼な行為だが、あなた方はやはり私たちよりも長く生きているからね」

 暗がりの中、あまり見えないと言っても彼女の容姿はやはり自分よりも若いものだろう。その中で穏やかな声が語る言葉一つ一つは彼女の心をそのまま映しているのだろうか、こちらを諭すような温かいながらも深みを感じる瞬間がある。
 とはいっても、その容姿や声相応の可愛らしい部分も見える。長い間ずっと同じ姿である彼らは心が老けこむことはないのだろうか。もしかしたら彼女も大分角が取れてこのような女性になったのかもしれない。

 相手の過去を知ったところでどうにもならないことを思い出して苦笑した。彼女たちにしては本の若造の自分の言葉が、何かをすくうきっかけになるものだろうか。

 しかし、どうやら先ほど自分が発した言葉を彼女は礼の言葉を持って返事をした。何気ない発言であったそれは、彼女にしてみればどのような価値がったのか、解らなかったが、彼女が笑っているのであれば、それでよかった。暗闇でいまだに見えない彼女の表情を、何とか読みたいと思った。

「いや、何と言えばいいのか分からないけど。兄弟という表現も良いものだね、または親友でもいい。どちらにしろ、私たちは同じ生き物であり同じ形を取るのだから。……まぁ、今では敵対、のような形になってしまっているけれど」

 自分も今まで何人もの吸血鬼を始末した。そう考えれば、今こうやって彼女の横を歩いている自分は不思議な存在だ。仲間に見られたらどうしようか。彼らはどんな顔をするだろうかと、ふと仕事仲間の顔を思い浮かべた。

 思いがけなかったのは彼女から名前を名乗ってくれたことだった。香坂も慌てて自分の名前を名乗った。

「私は香坂 誉丸と言うんだ。好きに呼んでくれて構わない」

 彼女、小田島の言い方を真似てそう言い添えた。そして彼女の名前をもう一度、口の中で繰り返す。

「……八千代さん、だね。素敵な名前だ。覚えておこう」


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>>406のルールの件
>>407の新組織の件、了解しました。