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>>16


前世の記憶が残っている人は、本当にいるという。何より、この俺に前世の記憶が残っているのだ。これが自分の前世かは分からないが...記憶の中の姓や名、顔立ちが似ていること...やはり、これは自分の前世なのではないか、と期待してしまっても仕方ない。記憶の中には、毎回と言っていいほど現れる女性がいる。目の前の少女は、偶然にしては出来すぎているのではないかというほど、その女性にとても似ていた。

「...ごめん、忘れて。会ったことは多分ないよ」

慌てて言い訳を考えるも、言い訳をしたらするほど取り繕うことが出来なくなる、と思いとりあえず謝罪する。

「そうだ！その制服って淡海高校だよね」

気まずい空気が流れる前に話題転換を図り、彼女の制服を指差して言う。淡海というのは、昔この辺りで勢力を伸ばしていた武家らしい。もっとも、目の前の少女の前世の姓が淡海なのであるつが。