二次なりきり掲示板

Re: 【長文/開幕】さよなら世界【募集中】 ( No.62 )
日時: 2015/10/11 14:06
名前: ナタノ (ID: rRIugyj2)



>>58

扉を叩いて少しするとドカッというどこかに何かをぶつけるような音がして大よそ女性らしさとはかけ離れた野太く大袈裟な声が「うはっ!?」と扉越しに響いてきた。机に突っ伏して寝ていたのならライトに頭でもぶつけたのだろう。一般からすれば女性らしさを含まないその悲鳴をラブラドールはレイディっぽくて素敵!だとか思いながら聞いていた。

靴が床をこする音がしてフラヴィがこちらに近づいているのが伝わってくる。いつもよりほんの少し大股だからもしかしたらあまり機嫌が良くないのかもしれない。フラヴィが机に突っ伏して寝ている時用の起こし方も考えなきゃ、と真剣に考えていると目の前の扉が開かれた。ラブラドールは最高の笑顔で微笑んで不機嫌顔のクイーンレディの前に盆を恭しく掲げる。

「お届け物でーす」

フラヴィは途端に目及び瞳孔をカッと光らせると開口一番にこう叫んだ。

「ケーキだ!! しかもそれショートケーキじゃねーか!! アタシがチョー気に入ってるやつ!」

瞳に光を宿し指を差してそう叫ぶフラヴィは文句なしにキュートでラブラドールはデレデレと緩む頬を抑えられない。するとフラヴィは紅茶やお菓子が落ちるのもまるで考慮せずむしろ構わんと言った調子でそれを運んできたラブラドールにがばっと抱き着く。ラブラドールは器用に盆のバランスをとりながらフラヴィに抱きしめられる感覚を充分に堪能した。正直脳内で考えていることは変態そのものであるが、口に出さなきゃバレないのである。

「ラァァビお前マジで出来た子だよホンット解ってる! 最近ホント頭働かねーってのに色々雑務ばっかりでよっけーに疲れるしで出掛ける暇もねーしあー偶にはいちごの乗ったショートケーキ食いたいわーとか思ってたんだよもうホント気が利くゥッ! よし、入れ。一緒に食うぞ!」

「ふっふっふ〜。なんてたって私はレイディの側近だからね!レイディの事はお見通しなのです。
何か手伝える仕事あったらお手伝いするからなんでも言ってね!あ、これは表の会社の出納決算書だよ。あとはレイディがハンコ押すだけの状態にしてあるからね」

ラブラドールは書類をフラヴィに手渡してお茶の準備を始める。甘いショートケーキは確かに魅力的だが、現在体重計と格闘中のラブラドールからしてみれば仇もいいところだった。

「ケーキはレイディがぜーんぶ食べちゃっていいよ。私、今体重計と仁義なき戦いの途中だから」

昨日見た時もほとんど減っていなかった体重を思い出してラブラドールは一瞬歯を食いしばる。基本的に食べたいものは食べたい時に食べたいだけ食べるのがラブラドールだが、体重が増加の一途をたどればそうも言ってはいられない。これでも一応立派な乙女なのだ。体重なんてどうでもいいとは割り切れないものである。

「レイディは細身でいいなぁ〜」