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【柚雨様 (華奈様)】


「あんたはそうやって殺意が意図しなくても感じられるような振る舞いが多いんだよ」
少なくとも私にとってはね、と付け足す。彼とは長年の仲の彼女にとっては、その無表情な様子からわずかな変化を感じ取り、救い出すのはそう難しいことではなかったのだ。
「あんたは"たかが剣だ"と思ってるかもしれないけどね。一般常識から見たら剣って本当に怖いんだから。それにあんたのその人殺してそうな目つき。なんで通報されないのか不思議なくらいよ」
そうため息をつく。剣を抜くだけでも「殺されかけた」と誤解されればそれは立派な殺人未遂となる。だから無意識にどんどん逮捕状が溜まるばかりなのではないか。

「はぁ、あんたの帰りが遅かったから死んでんじゃないかと心配して探しに来てあげた私にそれはないでしょ」
ついでに、一個でも多くの罪状をなくせるように、という理由も含まれている。あとは彼の暴走を止めるためだとか、こんなことが起こってた時の仲裁のためだとか、理由ならごまんと思いつく。