二次なりきり掲示板
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- ・Seize the day『 中文 』
- 日時: 2015/10/23 08:00
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: KVMT5Kt8)
【 prologue 】
時は中世、舞台はとある国の城塞都市。
希望を手にした者達は光へと続く門を開いた。しかしそれは結果として多くの人々を巻き込み苦しめる事になる。
『お前達が人間として生きる事を望まなければ、私達は人間として生き続ける事が出来たのに。』
ある者は隠された真実に一人涙を流し、白衣を脱ぎ捨てると決死の思いで拡声器を手にした。
真実を知った民衆達は悩み考え続ける事を余儀無くされ、多くの人々は未だ答えを求め続けている。
—— —— —— —— —— …
閲覧ありがとうございます。寝退と申します。初めましての方も日頃お世話になっている方も宜しくお願いします。当スレは城塞都市内の極秘研究施設で生み出された能力者達とそれに関わる人間達の、戦闘・恋愛・日常、割と何でもアリなスレとなっております。
今回は完全な中文スレとさせていただきます。その他の部分での変更もありますので、世界観やルールに一度目を通してから登録書を記入して頂けますよう宜しくお願いします。
世界観 >>1
ルール >>2
募集枠 >>3
登録書 >>4
【 参加者一覧 】>>5
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- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.261 )
- 日時: 2015/09/28 13:52
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)
- 参照: 文章が迷子すぎる。
>>251
「今は君の方が後悔してるんじゃない?」
こんな奴拾わなければ良かった、ってさ。リオは少し掠れた低い声でそう呟くと、少し考え込んでから彼に駆け寄りその小さな手でしっかりとリオを抱き締めるイヴに思わず目を見開いた。
俯くイヴはきっと何かに勘付いているのだろう、背に回されている手が小さく震えていた。何も考えずに彼女を抱き締め返す事が出来たならどんなに幸せだろうか、とリオはそっと目を閉じる。いつものようにイヴの髪を優しく撫でながらゆっくりと瞳を開き並木道の先を見据えた。
「……君は、僕達の出会いは必然だったと思う?」
リオは自分が先程まで考えていた事を思い出し、イヴにそう問い掛けながら悲しげに揺れる瞳を再び空へと向ける。出会いが必然だったのなら、再び出会う事が出来るだろう。偶然だったのなら、二度も同じ偶然が起こり得るだろうか。しかしその答えは出る筈も無い。
君は知らないままで良い。何処にも行かないで、と僕を抱き留めている君のことが何よりも愛おしくて、君のことをずっと一番近くで守り続けたいと、そう思っている僕が居ること。君は何も知らなくて良い。その方がきっと傷付かずに済むだろうから。
「そしたら、僕はイヴのワガママに振り回されて一生を終える事になるのかな?」
本心を口に出せばイヴは気に病んでしまうだろうと、リオは彼女の問いに対して苦笑しながら素っ気無く答えた。自分を偽る度に襲い来る、この胸を刺すような痛みにはもうすっかり慣れてしまった。彼女を苦しめるくらいなら、こうする事で彼女の傍に居られるのなら。
リオはイヴの体を離すとその手を取り、そろそろ帰ろうか、といつもと変わらない笑顔を向けた。
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.262 )
- 日時: 2015/09/28 16:38
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)
- 参照: 動悸息切れに救心が欲しい今日この頃
>>261
「後悔はしてないよ、必然だって思うから。」
どこか物憂げな表情で悲痛そうな瞳で空を仰ぎ物思いに耽るリオを見上げ、それにね、と言葉を続けた。
「リオがこんなに大切なのも必然の出会いがあったからだって、そう…おも、う…。」
事実間違ってはいないのだけれどそれを直接伝えることが恥ずかしくなり最初は興奮気味に喋りだしたものの段々と弱弱しい声音にかわり最後の方には消え入りそうな声になっていた。本当の家族じゃないけれど、イヴにとってはリオはもう家族でそれはきっと何処か遠くへ行ってしまっても変わらないのだと信じていた。
幸い視線を空へ向けているリオに真っ赤に染まってしまったであろう顔は見られたくなかった。
心地よく吹く風に頬を冷やしていると、ワガママに振り回されて、と素っ気なく吐き出されたその言葉にイヴはむっとして、
「一生一緒にいてくれるの?」
少しリオへ投げかけた挑発じみた言葉は途方もない約束事のようで、それを承諾するわけもないだろうリオにすぐに「ごめん、なんでもない」と口を噤む。
ずっと続けばいいと、そう思ってはいるもののいざ口にして言葉にするとそれはきっと重くのしかかりそれこそ、私のせいで一生を終えてしまう事ももしかしたらあるのかもしれない。いつ死ぬかもわからない状況でこの言葉はきっと彼の重荷になってしまうのだろう。
帰ろうといつも通りの笑みのリオに手を引かれ屋敷へと歩き出す。いつもの優しい大好きな笑顔のはずなのにどこか不安になってしまうその言動にイヴは俯き、けれど繋いだ手が離れないようにだけしっかりと握った。
屋敷の前までつけば繋いでいた手を離しリオの顔は見ないままに一直線に屋内へと駆け込んだ。玄関扉の陰に隠れリオに向き直り、けれども顔は見れないままに言葉だけを投げかけた。
「付き合ってくれてありがと。リオももう自由に休んでいいから!」
それだけを伝えると上がる息を整えながら自室へと帰って行った。
(そろそろ解散かなと思いつつもリオくんに悶えすぎて息をするのがつらいです)
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.263 )
- 日時: 2015/09/28 21:20
- 名前: なたの (ID: XMOub5JC)
まだ一目の少ない早朝のアーケードをモニカは軽い足取りで歩いていた。その手には小さな体には少しばかり重そうな紙袋が抱えられている。中身はチーズとハムと林檎、それから焼きたてのフランスパンが丸々一本。
紙袋から飛び出たフランスパンの香ばしい香りがモニカの鼻を擽って、モニカは少しだけ足を早めてアーケードを抜けた。その先にある小さな公園まで辿り着くと木で作られたベンチにちょこんと腰掛け、赤いプリーツスカートから小降りの果物ナイフを取り出してフランスパンを厚めに切り取る。その上にハム、チーズを順番に切って載せてからモニカは丁寧に手を合わせるとそれを口に運んだ。
まだ暖かなフランスパンの上でチーズが少しだけ溶けて絶妙に美味しい。モニカは楽しそうに鼻歌を歌いながら、飛んできた鳩やスズメにフランスパンを細かく千切って投げてやる。
「そんなに取り合いしなくても、まだまだ沢山ありますよ」
鳥達に話しかけながらモニカは自分のご飯も食べる。これがモニカの朝の日課である。
この公園はモニカにとって思い出深い場所だった。いつか会いにくると約束してくれた人と歩いた思い出の場所で、その記憶を鮮明に残しておきたくてモニカは毎日ここで朝ごはんを食べる。もしかしたら彼がひょっこり現れるかも、なんて淡い期待も少しばかり含まれているけれど。
チラリと公園の入り口に目をやってもいるのはフランスパンに釣られてやってくる鳩や猫ぐらいのものだ。モニカは苦笑を漏らしてもう一度パンを放る。
「…いつ会いに来てくれるんでしょうね」
誰に話すでもなく、モニカはパンを頬張ったのだった。
(絡みお待ちしております)
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.264 )
- 日時: 2015/09/28 23:34
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)
>>263
香ばしいパンの香り鳥たちの朝を知らせるさえずりと心地よい歌に静かに目を開ける。
どうやら昨日対峙した追跡者との攻防で体力を消耗しきってしまいなんとか逃げたものの家に帰りつけるほどの体力は残っていなかったらしく、木の葉で周りから見え辛くなっている木の上で休んでいたのだ。
固い寝床で最悪の目覚めを果たしたサラは欠伸を遠慮なく漏らし木の上から飛び降りる。
早く帰って熱いシャワーを浴びてこの汚れに汚れた身体を綺麗にしたい。思うことはそれだけだったのだが、木から降りれば先ほどの心地よい音の正体に気づく。
幼い少女が何やら一人楽しそうに鳥たちに話しかけながらパンをかじっているではないか。
こんな朝早くに公園で一人…?不審に思ったサラはゆっくりと近づき少女を刺激しないように屈み込んで話しかける。
「一人?ママやパパは一緒かな?」
人も少ない時間帯に付近に人影もなさそうに窺え、一緒ではないことはほぼ確実だろう。サラに声をかける義理もなかったのだが幼い子供が一人で、というのはこの世の中自身らのような化け物もいるのだ。少しだけ、心配になってのことだった。
にっこりと安心感を与えるような笑みに挨拶をすると少女と目を合わせる。
そしてどこか見覚えのある顔にあら?と素っ頓狂な声をあげる。
この少女、よく見ても見なくてもどこからどうみても幼女にしか見えないのだがこの顔、容姿はどこか見覚えがあった。
今はもう思い出したくもないのだが…。
「研究施設…」
ポロリと出た言葉にハッと口元を押さえる。そうだ、と自身の記憶を辿ると目の前の少女によくにた人物を施設で見ていたことを思い出す。不躾にもまじまじと彼女の顔を見て首元を見る。
脱走者、すなわち彼女らは首元のナンバーを知られたくないために必ずと言っていいほどその部分は隠す者が多かった。サラ自身は隠しても消えることがないと諦めたように隠すことはしなかったのだが。
「ええ、と…間違っていたらごめんなさいね。私の顔、見覚え、ない…?」
ほぼ間違いないだろうと思ってはいるものの万が一にも間違っていてあまつさえ追跡者に見つかってしまっては厄介だ。それに彼女自身もしかしたら静かに暮らしていっるのかもしれないのにいきなり脱走者仲間などには会いたくないかもしれない。
もし、そうであれば知らないとでもはぐらかすのだろう。そう思いながらしゃがんでいた身体を起こしモニカの目の前に立ち上がって少女を見下ろした。
(早速きました!よろしくお願いします!!)
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.265 )
- 日時: 2015/09/29 04:15
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)
- 参照: 救心ワロタ。さて、このままリオを使ってストーリー進行しようかと…
>>262
「…そっか。僕もそう思ってるよ、イヴ」
自らの問に対するイヴの返答に驚いたような、それでいて嬉しそうな笑みを浮かべながらリオが彼女を見下ろせば、イヴは頬を染めて照れ臭そうに俯いていた。この子はその瞳に何を映して何を思いどんな未来を描きながら大人になって行くのだろうか。リオは未だ見ぬ遠い未来に思いを馳せながら自分の首に手を伸ばし、そこに刻まれている数字を覆い隠すようにしてナンバーに触れた。
自分と同じようにこの三桁の数字に苦しめられている能力者は、まだこの閉ざされた世界の中に少なからず存在しているのだろう。国が未だ生き永らえている能力者達を呪縛から解放するために新たな施設を立ち上げた、それはつまり当時の仲間達の生存を意味する。
「君が僕を救ってくれた。だから僕は君を……この国を救いたいって、そう思うんだ」
正直言って他人に興味は無いし、誰が何処で苦しんでいようと自分には関係ない。けれど自分は救われたいだなんて、そんな願いが叶う訳も無くて。自分も何かを犠牲にして何かを守る事が出来たなら、自分自身を救うことも出来るかもしれない。
「……もし君の前から消えたとしても、必ずここに帰ってくるよ」
イヴの言葉に穏やかな笑みを浮かべたリオは、慌てて謝罪の言葉を述べる彼女に小さな罪悪感を覚えながらも一方的な約束を押し付ける。叶わなかったとしても、それは自分の紛れもない本心であり唯一の願いだ。
半年前の自分なら、例え確実に解放されると、人間として生きられる未来を約束されていたとしても拒んでいただろう。自分が再び実験体として国にこの身を捧げるだなんて、そんな馬鹿げた事。しかし今の自分はあの頃の自分より少しだけ欲張りになって、ほんの少しだけ『希望』なんて不確かなものを信じたいと……そんな事を思う弱い存在に成り下がってしまったから。
屋敷の前まで来るとしっかりと繋がれていた筈の手は呆気なく離されてしまって、何処か寂しげに自分の手を見詰めたリオはそのままイヴに視線を戻す。屋内へと駆け込むイヴに咄嗟に「走っちゃ駄目だよ!」と声を掛けるも、彼女はそのまま扉の影に隠れてリオに言葉を返し、屋敷の中へと姿を消してしまった。
イヴは本当に相変わらずだ、お転婆で我が儘でこっちの意思なんて関係無しに自分が思った事を押し通そうとする。だから僕も今はまだ、気分屋で生意気で自分さえ良ければ他人なんてどうでも良い、そんな相変わらずな僕のままで。
「……執事長、この前の話なんだけどさ……」
僕達の出会いが必然だったのなら、彼がこのタイミングで此処を通り掛かった事もきっと必然で。もう少し……だと思っていた僕達の別れが少しだけ早まってしまう事もきっと。
リオは再び自分の手を見下ろすとその手を強く握り締め、笑みを浮かべたまま執事長を振り返った。
【お相手ありがとうございました!何か既にお別れしちゃう雰囲気だったので勝手にこんな流れにしちゃいましたが大丈夫でしょうか…!屋敷を離れても街は彷徨いてると思うので帰ってくる前に適当に再会したりしちゃってもおいしいかなとか色々(
イヴさんめっちゃ可愛かったです、本当にお相手ありがとうございました…!】
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.266 )
- 日時: 2015/09/30 18:57
- 名前: ナタノ (ID: V32VFdCN)
>>264
ふと気が付くと黒いパンツに包まれたスラリとした足がモニカの視界に入り、モニカがその先を見上げようとすると長い足が折りたたまれて顔が降りてきた。サラリと胸元に流れる銀髪と優しそうに下がっている翡翠色の瞳が美しいその人はにっこりと微笑む。
そうすると元々垂れている瞳が更に弧を描き、優しそうな面立ちになる。
「一人?パパやママは一緒かな?」
あぁ、怪しまれているのかなとモニカは眉を下げる。やはりこんな時間に幼い少女が一人で出歩いていれば声をかけてくるものなのだろう。事実今までも何度か声をかけられた事がある。
「パパとママはお寝坊で、朝ごはんのお使いの途中なの」なんてお決まりの言葉を返そうと口を開いた所で、翡翠の瞳とパチリと目が合ってモニカはうん?と首を傾げた。その瞳はどこかで見た覚えのあるような気がした。そう、もうかなり昔に。
「あ…」
彼女の首元に素早く目を走らせるとそこには888のシリアルナンバーが刻まれている。と言うことは彼女は、あの施設で自分を見たことがあるはずだ。十一年前と変わらないこの顔を知っているはずだ。モニカは大きく目を見開いた。目の前の美しい人が、まるで変わらない自分にどんな反応を示すのか恐ろしいと思った。すると女性は戸惑ったように立ち上がりモニカを見下ろした。
「ええ、と…間違っていたらごめんなさいね。私の顔、見覚え、ない…?」
ヒュ、と短く喉がなる。恐ろしいと思うのと同時にモニカは嬉しかった。たとえ彼女がモニカを気味悪がったとしても、また仲間に会えた事が嬉しかった。さみしいの、と零しそうになるのを呑み込んでモニカはその一対の翡翠に吸い寄せられるように立ち上がる。
「…十一年前に、お会いしました?」
見るからに十一年前も生きていないであろう見た目のモニカのその言葉が、答えだった。
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.267 )
- 日時: 2015/10/01 07:12
- 名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
- 参照: ヒィスコォト
悪夢を見た気がする。内容は忘れたがただひたすらに酷い夢だった気がする。
金髪男は寝不足の目をこすろうと手を動かそうとしたが、直ぐに体に痛みが走ってそれをすることが不可能であると思いだす。そう言えば自分は町の破落戸共の喧嘩に巻き込まれて、どういう訳か連中の怒りの矛先がこちらに向き、滅多打ちにされたのだった。挙句にはこんな一通りの少ない路地裏に丸太に縛られて放置しやがった。つまりは現在、ヒースコート=デューイは誰も通らなそうな路地裏に痛みまくった丸太に両の手首を麻縄で縛られ、地面に座り込んで立ち上がれない状態なのである。
「あぁーマジクソ、俺は放置プレイも拘束プレイも別に趣味じゃないんだったら……」
呑気に言ってみても何の慰めにもならないし、どうにもまずい事態になってきた。
自分がこんな状況になるに至ったあの胸糞悪い事件から何日経ったことかもわからないのだが、体が妙にだるく、じりじりと身体が——まるで臓器から乾いていくような奇妙な感覚に見舞われているのだ。この気持ちの悪い感覚が一体何を示唆しているのか、ヒースコート自身も解っている。
そろそろシリアルナンバー持ちの血液に触れなければ。
下手をすれば自分は死ぬ。
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.268 )
- 日時: 2015/10/02 00:20
- 名前: 時谷 空 ◆AdKeSZp7eg (ID: 0ZzzaL.w)
>>266
サラの問いかけに目の前の少女は首を傾げてあ、と小さく口を開く。
見た目は完全に少女なのだがどこかその少女からはどこか落ち着いた雰囲気を纏っているようで不思議とそれに違和感を感じなかった。
少女の視線がナンバーが刻まれた首元に向けられると大きく目を見開く。やはり、怖いのだろうか、そう少しだけ寂しく思うが少女の言葉に今度はサラ自身が驚いたように目を見開いた。
立ち上がり真っすぐと淀みない目で見られ珍しくも少し狼狽える。十一年前というこの少女が到底生まれていなさそうな時間軸の話をされてしまったからだ。
ちょっと待って、と口から零れるものの脳が軽くパニックを起こしているようだった。
十一年前といえばナンバーを刻まれた者たちがあの忌まわしき研究所から逃げ出した年でもあった。
しかしこの少女の言う十一年前を思い出せば確かに、研究施設で見かけたことがあったのだろう。
一瞬だが、そう、記憶をと辿れば少女を見かけたことがあったのかもしれない。
そういえば、とほかの脱走者から聞いたことがあった。実験の副作用か何かで見た目が変わらない子供がいたのだとか。ふと思い出されたそれが目の前の少女だというのか。そう妙に納得したサラは続けて思い出す。
その少女の名は、
「モニカ、ちゃん…?」
名前まで思い出せばその存在ははっきりと認識した。
そうだ、この子は研究施設にいた。瞳の色が綺麗でよく目で追っていたではないか。なぜ思い出せなかったのかそちらの方が不思議でないくらいに。
再びその赤く揺れる瞳を持つ少女に出会えたことを喜び、歓喜の声と共に小さな少女を気づいたら抱き締めていた。
「よく、無事で生きていたわね」
そう、一人小さく呟いた。
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.269 )
- 日時: 2015/10/02 07:01
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)
- 参照: お知らせ
・お知らせ
【私のキャラであるリオが自ら城の研究に協力すると名乗り出た設定でストーリーを若干進めてみようと思います。城を取り囲む電磁波の件があるので、城の後方に広がる森の中に第二研究所が建てられた予定です。(これも地下施設で地下へと続く階段が入り口となり、厳重なロックが掛かった二重の扉が入り口となります。研究員であれば城の研究施設から通路を通って行き来出来る設定とします。通路の途中に電磁波ゾーンが存在します。)となると、王族の方が研究員から報告を受けて動いた設定で進めて下さると助かります。城に属している枠の方は適当に絡んだり研究を進めたりしたって下さいませ。脱走者枠の実験体はリオだけで進めるつもりですが、追跡者枠からも協力者の方が出て下さるとそれぞれ研究が進むのかなーと思いつつ、急ぎでは無いですしそっちも私のキャラを使うという手もあるので皆様気分で適当に参加していただければと思います!】
>>267
能力者達を救うべく立ち上げられた研究施設では兼ねてから実験に協力してくれる能力者を探してはいたものの、大々的に募集なんてしようものなら反感を買うに違いない。その為、僅かなデータを元に各々無謀とも言える研究を続けるしか無い現状が続いていたが、何と自ら名乗り出てくれた脱走者の青年が居るという。
アンネリーゼは施設の研究員となってから初めての休暇を以前務めていた研究所で過ごしていたのだが、そんな知らせを受けて帰らない訳にもいかない。珍しく白衣では無く以前のようなワンピース姿で膨大な書類を抱えてぱたぱたと足早に歩を進めていた。
急ぐあまり普段は極力通る事を避けている薄暗い路地裏の道を進んでしまったアンネリーゼは、そのまま十数メートル程進んだ所でこの道を通った事を早くも後悔する事となる。何故なら、薄暗いその道の途中に不気味な影が存在していたからだ。思わず小さな悲鳴を上げて後退ったアンネリーゼだったが、動く気配の無いその影を恐る恐る目を凝らして見つめる、と、どうやらそれは丸太に括りつけられた人間のようだった。それも酷く衰弱しているようで、その事実に気付くと、アンネリーゼは書類の束をばさりと地面に落とし慌ててその影に駆け寄りしゃがみ込んだ。
「だっ、大丈夫ですか!?…誰がこんな酷い事を……!」
何故かその瞳に涙を浮かべながら怒りに満ちた顔で縄を解こうと奮闘するアンネリーゼは、とにかくこの人を解放してあげなければ……とその事だけに必死になっており、その人物の正体には気付かないまま暫く麻縄に意識を集中させていた。しかし、不意に顔を上げてその人物と目が合った瞬間に驚いたように再び小さな悲鳴を上げて縄から手を離す。
「……えっ、あ、うそ……」
酷く動揺した様子のアンネリーゼは今に至るまでの自分の行動を思い返したのか、はたまた過去の記憶を思い出しての事か、その頬をかあっと赤く染めると一度俯き強く目を瞑ってから顔を上げて、ヒースコートの顔を改めて確認すると視線はそのままに両手で頬を覆いながら慌てて後退った。
【アンネさんで突撃させていただきます!】
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.270 )
- 日時: 2015/10/04 15:14
- 名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
- 参照: 文才がぁぁぁぁぁ欲しいィィィィ
>>269
昼も夜も無く鞭打たれながら働かされた奴隷の如くヒースコートの体は憔悴に憔悴を重ねていた。今この時も少しずつ。意識は曖昧で視界もどんどん悪くなっていき、もう何かを考えることすら疲れているのだ。ただそれなのに心臓がどくどくと忙しなく脈打つことだけは感じていた。支えることが困難になった頭をだらりと下げ、ヒースコートはただ心臓を動かすことだけに集中するようになった。それしかできなかった。
意識が曖昧模糊なものと化していく中、ヒースコートはその中にある人物の姿を思い出していた。
二十歳を過ぎた男の容姿に似つかわしくない子供のような華奢な体、そしてそんな容姿に更に似合わないいつでも苛立っているかのような眉間にしわを寄せた顔。味気も色気も何もないモノトーンカラーの装いで自身の身を固めたそいつは、いつも可愛げの欠片も無く俺のことを罵ってきた。
生意気なガキ。それでも共に過ごした時間には決して無意義なものは一つもなかった。
アルフレート、ほとんど無音と言っても良いただの囁き声になってしまった相棒の名前は、もちろん彼の耳には、また誰の耳にも届かないものとなった。
しかしながら、これは現実の出来事だろうか。華奢で幼げな体に栗色の髪をしたあの生意気な青年と酷似した特徴を持つ誰かがヒースコートを縛る麻縄の手錠を外そうとしている。
もうまともに思考することもままならないヒースコートは何も言わずぼんやりとその様を見ていた。しかし、ヒースコートのだだっ広い荒れ地のような絶望に満ちた心に、希望が宿ることは無かった。
まさか、アイツのはずがない。だってアイツが此処にいるなんてそんな具合の上手い話があるわけがないじゃないか。それにきっと麻縄だって外せないだろう。こんな重宝されて育ったような清潔で綺麗な手の人間にはきっと出来ない。そう思った刹那のこと、その人は不意に顔を上げ、女性のごとき甲高い悲鳴を上げると、反射的と言っても良いようにパッと縄から手を離した。
ヒースコートはその時今一度、その人の姿を視界いっぱいに見た。ほぼ止まってしまった思考では相手を認識することもままならないことだったけれど、その人が幼く華奢な相棒に似ていることと、可憐な乙女が着るようなワンピースを纏っていることだけは理解できた。
嗚呼、今は何もかもわからないし何かを説明されたら理解する気力なんてない。しかしながら過去のことだけは思い出せる。自分はこの子に会ったことがある。
驚いたように後ろへ後退していったその人を見据えて、ヒースコートは言う。
「……勘違いかもしれないが」
元気のない情けない声を絞り出しながらも、言う。
「アンネリーゼ=クランツ?」
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