二次なりきり掲示板

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【一時期】『 トロイメライの隠し場所 』【閉鎖】
日時: 2015/11/06 14:57
名前: 佐鳥 (ID: zflF3NFd)
参照: ありがちだと知っていても、それでも俺はやりたいんじゃ。

 お知らせ ⇒ >>406
 新組織できました ⇒ >>407







真夜中の路地裏に、僕と君の二人きり。

あまりに大量で吸い取りきれなかった血液を思わず吐き出しては、ぐったりとして心臓を動かさなくなった君の顔をもう一度見つめた。だらんと垂れる頭を支える首には、二つの穴が目玉の様に開いていた。そこからどろどろ、紅い液が。それを見ても何も思わなくなってしまったのは、僕が本当に怪物になってしまったという証だろう。それを怖がることすらなくなった。

顔に飛び散った人間の血をべろりと舐めとる。
本当にくだらない。生者にも死者にも成りきれず、その狭間に存在しては世間に隠れることもなく、殺/戮を繰り返す。それしかできず生と死の瀬戸際に在り続ける闇の眷属。異端の一族。

そんな僕らを人々は、悪魔とか、“吸血鬼”だとか呼んでいた。

そう呼ばれるたびに、僕はいつも御伽噺を思い出す。


         或る奇跡の十字架の話


————吸血鬼の弱点ともよばれる其れの中で、唯一、彼らに味方する十字架

————ここではない海の向こうの錬金術師が生み出した、魔法の十字架


 それを手に入れる吸血鬼は、雨水であれ聖水であれどその体に受け入れ、杭を打ち付ける前に跳ね除ける屈強な心臓を手に入れ、月だけではなく朝日をも制することができるだろう。

 もしも手に入れたなら、僕は昼を生きる存在になれるのだろうか。
 もしも手に入れたなら、あの子に会いに行けるかな。
 もしも手に入れたなら、僕等は——僕は幸せになれるのだろうか。

 



   奇跡の十字架、その名を人呼んでトロイメライ


 ( ……残念だけど、それが欲しいのは君だけじゃない )

 ( 探せ、この国の隅々まで! 君が自由を手にしたいなら! )

- - - -

『 キャラ募集中でございます 』

- - - -

>>1  『 ご挨拶 』
>>2  『 世界観 』
>>3  『 募集枠 』
>>407 『 募集枠2 』
>>4  『 参加者様 』
>>5  『 登録証 』 ←(容姿の欄に追記しました)
>>6  『 規則 』(※必読。更新することがあります)
>>7  『 スポット 』


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ちなみに予告していたのとはまた別の組織になります。 ( No.289 )
日時: 2015/09/05 18:20
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)


【赤月(吸血鬼研究部)】

「敵を殺すためには、敵のことを良く知る必要がある」

赤月本部の地下にある吸血鬼を研究するために発足された部である。吸血鬼を知る為にはどんな非道な実験も厭わない赤月らしさを持った研究員たちによって構成される。まだ吸血鬼に関しては情報も少なく、実験材料にするためのサンプル——被検体となる吸血鬼を欲しがっている。吸血鬼について何か解明できることがあれば、赤月本部との連携を取り武器の開発にも随時協力する予定らしい。
ちなみにトロイメライについても研究をしようとしているがこれについてはとんと情報が見当たらないため、途方に暮れている。(一部の者は>>2に登場するドラキュラの作り話ではないかと推測している者もいる)
発足後、彼らは既に衰弱状態で真面に話が出来ないような状態のドラキュラを引き取っているようだ。

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.290 )
日時: 2015/09/05 20:21
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)

>>288

【夜中のある道中/松里千草】

眼鏡の奥にある赤色の双眸が嬉々として輝く、その声色もその表情に似つかわしいものだ。こちらを騙そうとしている様子もなくあまりに彼が純粋なので、なんだか逆に不安になる。
どうしてこんな玩具に力があるなんて信じられるんだろう。それとも私が単なるおもちゃだと思っているだけ? 

「いえ、別に? ……まあ、可愛いとは思うけど」

ぎこちなくも短くそう答えると、千草はゆっくりと手を離し、十字架を首から垂らした。指で小突くと如何にもプラスチックらしい軽い音が響くのがまた、何とも身もふたも無いような。

そしてまた始まった自分が大嫌いの存在の話にまた千草は息を呑む。
振り返ったクローリクは笑顔だった。しかしその笑顔を見たその途端、さあっと顔が引きつり、鳥肌が立っていくのが自分でもわかった。ギョッとする。元々、他人に対して敏感な千草だ。精神的に意識が研ぎ澄まされる夜の魔法も手伝って、その目に映る目の前の優男の笑顔は、先程までとは違って、純粋で明快なだけじゃなく、禍々しさすらはらんでいる。

「ねえ、さっきから吸血鬼とかさ……アンタ、一体なんなわけ?」

彼はいったい何者なのか。
その気迫に圧倒されてまた足を止めていると、クローリクはまた語り続ける。得体の知れない変人である癖に喋ることは筋道が通っているから、まともな人のように思えてくる。
しかし、千草はそれを聞き終えると何処か疲れたような目をして、もう一度十字架を手に取った。それを月に向かって掲げながら彼の後を追う。

クローリクは正しいことを言っているかもしれない。けれど……

「どうだろう……でも、もしかしたらそれにはちょっとだけ遅かったかも」

小さなため息が零れては消える。

「仲間?」

仲間だなんて意外な言葉だ。彼はまるで一匹だけで気ままに生活する猫のようで、集団という印象を丸で持たせなかったから。
しかし、彼の仲間とは一体どのような仲間なのか、千草は一度頭の中に思い浮かべてみるが……

(変人しか思いつかない)

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.291 )
日時: 2015/09/14 21:24
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
参照: 三人目

『 登録証 』

【 赤月:吸血鬼研究部 】

「はぁーいどうもこんばんはぁー。僕が誰だかわかりますー? あっははわからないかーそっかー。まあ、初めて会ったから当たり前だよねぇ。えーと、じゃあまず自己紹介か。どーもハジメマシテ。私、赤月吸血鬼研究部の部長をしてます。上脇助次郎先生永遠の18歳でーす。呼び方は何でもいいケド『上脇さん』か『助次郎さん』がいいかなぁ。これから長い付き合いになるし、どうぞよろしくね、吸血鬼サン」
「研究者になりたいって思った理由? さあ、なんだっけ。こんな物騒な仕事なら、僕ならきっと頼まれてもお断りだと思うけどね……っと思ったけど、良く考えてみたらそう言う事は関係ないや。んー、でもなんでそんなことを? 僕は僕より君みたいな子が赤月にいる理由の方が気になるんだけど」
「それが君たちのプレースタイル? 成程、中々下卑てやがる」

『さあ、未知を飼いならそうか』

名前「上脇助次郎」
ヨミ「カミワキスケジロウ」

性別「男性」
年齢「34」

性格「猫のように気まぐれで自分のペースを乱されることをひどく嫌うマイペース。どんな危機もまるで他人事のように落ち着き払って、挙句には楽しんでいるかのような嬉々とした表情さえ見せる。しかし本当に他人事ではなかった場合には彼だって慌てるしそれどころか荒ぶるし、手段を選ばなくなる。自分の行動を自分にとって利益か不利益か、面白いか退屈かで行動し、正しいか間違っているかは二の次である。常人には考えられないような言動で時に他人を困惑させたり傷付けたりするものの、あまり感情的なタイプではなく、理性や客観性などを含む論理的な思考を持っている様子。多少の正義感みたいなものは自分にも存在することは自覚していて、ただ自分の気持ちがそちらに傾倒するような出来事があまりに少ないためにそのような振る舞いになるらしい。」

容姿「身長189㎝手足は長いが但し胴も長い長身の男。首も長くてその上には身長に見合わずシャープな輪郭の小さい頭が乗っかっている。肌の色は日本人らしい黄色身を帯びた明るめの肌色で不規則な生活を送っているおかげか肌は最近少し荒れ気味。思春期の子供の様に前髪の生え際や頬に面皰がぽつぽつと目立つ。広いおでこは眉間に向かって少し太だけ太くなるちょっと丸っこい様な釣眉。これでも整えたほうである。緩い孤を描く垂れ目で短い睫がびっしり生えている。二白眼の目は両方日本人には不自然な真っ蒼な色である(その他にて説明)しかし鼻は弱くカーブする日本人らしい低さの鼻で、薄い唇は少しだけ前に突き出るいわゆるアヒル口。髪の毛は短めのツーブロックで眉毛が見えるくらいには短い。襟足は少し跳ねている天然パーマ。地毛は薄茶色をしているが今は真っ黒に染めている。耳にはピアスの穴がいくつか。歯は白く歯並びも問題ないが口を開くと矯正器具が彼の睫毛同様敷き詰められたかのようにびっしりとついている。序に黒縁眼鏡」
服装「大体モノトーンでお葬式みたいな格好の上に白衣や手袋だけど時々全身原色とか裸足にローファーとかふざけた格好で登場したりする。「いや、だって気分だったから」しかし定番であり彼のお気に入りは黒いタートルネックである。下は紺やグレーのジーンズやら七分丈(助次郎曰く中途半端丈)のスラックスなど。」

備考「護身用にスタンガンを持ち歩いている。元々はもっと田舎の方に住む漁師の家の息子であったが、子供の頃から生物の生態や体の仕組みに多大に興味を示す子供であり、それが転じて外科医を目指し、本世界の舞台である街へ上京してくる。子供の頃はもっと活発で闊達で真っ直ぐ純粋な子供だったものの、何故こうも性格が曲がったのか。本人の言及によると都会に染まって腐ったらしい。もといた病院では何処か人を寄せ付けない雰囲気とたまに出る突飛な発言で近寄りがたい先生だったようで、本人もあまり病院に馴染んでいた様子はない。自分や身内が吸血鬼に襲われた様な過去は別になく、吸血鬼についても赤月にやってきてから本部で初めてお目にかかった。この世には存在してはいけない筈の魔物を初めて目にした助次郎はもちろん興味を抱く。“こいつを解剖してみたい”と、初めて生物に対して強く願った。吸血鬼を解明する。それが彼が此処に居る理由である。面倒くさがりのドライな奴に見えて、結構吸血鬼に対する情熱はある」
その他「好きなものは『未知なるものの解明』と『さきいか』嫌いなものは『退屈』曾祖母がドイツ人のエイス(1/8)であるが本人は瞳の色や肌の色や髪の色が少し白みを帯びている以外はいたって普通の日本人顔である。因みに瞳の色は彼女から祖母、祖母から父への遺伝らしいがどれも少し色味が違っていたりして、父に言わせると助次郎は一番曾祖母に似た眸の持ち主らしい。サンプルボイスの様な台詞を楽しそうに多発する割にテンションはあまり高くなく、いつも大人し目であるとか無理があるとか気だるげというか面倒くさそうな雰囲気がある。どろんと現れ、どろんと消える。すぐに話を脱線する」

募集「彼に良くパシリに使わされる研究部員1名」
 
君が欲しいものは、いったい何?

「んんー、解き明かせそうにもない大きな未知、とかそんな感じ?」

——

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.292 )
日時: 2015/09/05 22:22
名前: Dietrich (ID: 3YwmDpNV)

【夜中のとある道中/ラヴレンチ=ヴォスコボエワ】

「可愛いかぁ。まぁそれお菓子のおまけなんだよねぇ」

 ウエハースにホワイトチョコが挟まっている簡単な菓子と共に鮮やかな箱の中におさまっていた単なる玩具。ラヴレンチがその箱を取った理由はもう忘れてしまったし、そのお菓子の味も覚えていないが、今日たまたま手に持っていたのを思い出したのだ。そしてそれを彼女に渡した。

 おそらく彼女は失望してるだろうなぁ、と思いながらくすりと笑う。あえて彼女の顔は見ないでおこう。面白そうだけど、想像するだけでも面白い。

 ふいにかけられた問いかけ、彼女の足が止まったことにラヴレンチは驚いていた。彼女は自分におびえているように見えた。自分は何者か。それは本当の名前を述べたらいいのだろうか、それとも赤月の名を、その仕事の内容を話せばいいのだろうか。それとも、自分自身の事を言えばいいのだろうか。

「そうだなぁ。僕は少なくとも西洋の怪物じゃないなぁ」

 そう言えば自分は何なのだろう。人間であることは確かだ。だってちゃんと吸血鬼を始末しようとしているじゃないか。人間の仲間とともに。

「僕は悪戯が大好きで、みんなが驚いている顔が好き。あと甘いものも好き、映画やお笑い番組が好き、ホラー映画もまぁ面白ければ見る。行きつけの映画館は小さくてお客さんも少ない、それと、あと何かなぁ……」

 半ば笑みを張り付けたような不格好なまま、しゃべり続ける。その口調は先ほどと同じく軽いものだったが、微かな焦りが見えていた。おかしいな、やっぱりこういうのは駄目だ。

「遅いことはないと思うけどね」

 話題がそれたことに微かに安堵しながら、ふと聞こえた言葉にそう返した。何を持ってそう言ったのだろうか、それは分からなかったが。

「いつでも遅いってことはないよ。終わったことは終わったこと、新しいことでそれを生かすこともできるからね」

 ため息が流れ、彼女が本当に吸血鬼が苦手なのを何となく察した気がした。

「そう、仲間! 仲間っていいよぉ、僕の仲間は変人ばっかりだけどね! みんないい人だし、いい人じゃない人もいるけど。僕は彼らがびっくりするところが大好きなんだ、あの感情がむき出しになった感じがたまらない。化けの皮をはがした感じね?」

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.293 )
日時: 2015/09/10 17:41
名前: 霧時雨 (ID: .MV36LMv)

『 登録証 』


【赤月】


「私は三宮裕次郎。以後、よろしくお願いしますぞ。」
「おや、これは可愛らしいですな。」
「もう二十年若ければ、最前線に向かえたのですがねぇ……。」

『未来を作るのは、何時だって若者です。ならば、老いぼれはその礎となりましょうぞ。』


名前「三宮 裕次郎」
ヨミ「サンノミヤ ユウジロウ」

性別「男」
年齢「七十二」

性格「常に冷静であり、温厚であり。時に厳しく、苛烈であり。紳士という言葉、まさにそのものな性格。時にその優しさと厳しさは、敵であろうと発揮される。弱きを助け、強きを挫く。マイペースではないが、常に自分の時間を歩んでいる。感情的になることは殆ど無いが、それは感情が無いわけではなく、理性や知性が鋼よりも強く、自分の生きてきた年月、経験があるから。」

容姿「真っ白な白髪で、オールバックにしている。瞳は黒。白いひげを生やしている。身長は170前後。衰えているとは言え、それなりに筋肉質。雰囲気は温和なのを感じさせる。」
服装「服装は常に紳士服を着て、赤いスカーフを着用している。その上に季節や環境に合わせて、ダッフルコートやマフラーをつける。私服は一応、年齢相応の物を所持しているが、殆ど着ない。ステッキを所持している。」

備考「日本刀仕込みのステッキ、銀の弾丸の拳銃、ナイフを常に所持している。それなりの名家の次男に生まれ、切磋琢磨したも家を継ぐことはできなかった。だが自分でも納得した決着だったので、それなりに勤勉に働き、青年期を過ごす。今から十数年前、実家のコネで吸血鬼事件の真相を知り、心身を鍛え、赤月に入る。その後は異例の速さで副隊長となり、今に到る。」
その他「本人は吸血鬼に対して怨みもないが、襲ってくるものに関しては防衛する。仕事上、容赦をしない事もある。だがその分憎しみも希薄なので、一対一の正々堂々とした勝負を好み、必要が無ければ見逃す。月末や休みの日は、たまに蟒蛇座の公演を見に行っている。結構常連客であり、依頼をしたりしている。その蟒蛇座の公演を見た帰り、とある吸血鬼と遭遇する。その場では戦闘を行わず、見逃したが、後日任務で向かった先に出会う事になる。そして戦うが、決着はつかなかった。殺したいほどではないが、その吸血鬼とはまた刃を交えたいと考えている。」

募集「決着のつかなかった吸血鬼」

 
君が欲しいものは、いったい何?

「叶うことなら、誰もが笑って平和に過ごせる世界でも……見てみたいものですな。」

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.294 )
日時: 2015/09/08 14:08
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
参照: 何だか至らぬ文章ばかりで申し訳ないです

>>292

【夜中のとある道中/松里千草】

 
(おまけかい!)

 ああ、まるで自分はおどけるピエロにまでからかわれる間抜けな観客の様だ。

 きっとこれが漫画の世界だったら、自分は間違いなくずっこーという擬音と共にその場にひっくりかえっている。
 道理でちゃちな玩具に見えると思ったら、本当に子供用の玩具なんだから驚きだ。そういえば、この手のアクセサリーが付属してくるからと小学生の頃の同級生の女の子は挙ってお菓子を買っていたっけ。千草もその一人だったことを覚えている。あの時はまだ、今みたいに周りに合わせているんじゃなくて本当にあのパチモンのおまけに憧れていたから買っていたのだけれど、今考えるとお菓子の方がおまけというにふさわしい気がする。食べたらそれでおしまいだけど、ネックレスは永遠に手元に残るから。

調子を変えず、悠々と語るクローリクを千草は訝しげに見た。はっきりと自分が何者なのか答えてくれない彼に苛立って、千草は彼が得体の知れない人物であるのも忘れた様に皮肉さをあらわにこう聞いた。

「どうですかね。こんな夜中に出歩いているなんて凄くそれらしい気がしますけど、おまけにそんな……」

赤い目をしてまるで本当に怪物みたい。なんて、見た目のことを言うのは、挙句には悪口を言うのは、下品で無礼な行為。それを千草は知っている。

「……なんでもありません」

少しだけ後悔して、そのあとかなり不安になる。若しかしたらの可能性が思わず頭の中に浮かんでハッとする。
疑心暗鬼だ。彼は、普通の人間? 吸血鬼? なんだか彼が振り返る様すら、身構えてしまう。

ゴクリと息をのんだ千草にクローリクは相変わらず女性のように柔らかく微笑みを浮かべる。嗚呼、何処の国の人間なのかは知らないけれど西洋人独特の作り物っぽさも相まって、綺麗なようで彼は不気味だ。体に鳥肌が立って仕方がない。

クローリクは相変わらず、自分が何者なのかを教えてくれることは無かった。ただ、自分自身のことは、丁寧とは言えないけれど、掻い摘んででも教えてくれた。その声が微々たるものだがさっきのように冷静ではなかった。
それを見るとなんだか居た堪れない。まるで自分が彼を虐めたり、責めたてたりしている悪い奴みたいに思えてなんだか自分に苛立つ。
彼は自分が何者なのか、言いたくはないのだろか。自分の事を話したがらないその様に、千草はふと大切な人の事を思い出した。
千草はずっと、その人に聞いてみたかった。“貴方は一体誰なの”と。頑なという訳ではないけれど、良く解らないけれど彼は自分の事を話さないのだ。言いはしないけれど「聞かないで」と言われている気がして、千草は自然と聞かなかった。
クローリクも、きっと聞いて欲しくは無いのだろう。

「……ごめん。もういいわ」

相手に話したくないことを話させるのは、やめるべきだろう。
ただ、千草はなんとなくわかった。クローリクが何者なのかは全くわからないけれど、妙なところはあるけれど、それでも悪人ではないと思う。本当は違うのかもしれないけれど、今彼が何者なのかなんて疑ったところで、答えなんて出ないから、取り敢えず信じてみることにする。

「それでも、助けたい命がもう既に死んじゃってたら、自分はどうする事も出来ないと思うし……過去の事だって私には割り切れない」

話してみても別にいいかもしれない。どうせ二度と会わないと思うから、だったら話しても離さなくても一緒なんじゃないか。これはそんな千草の気まぐれだ。
どうしてこんな話を唐突に始めるのか、きっと彼からしたら意味不明だろう。それでも千草は話した。

「……同級生の子が、行方不明になってるんです。ずっとずっと帰ってきてなくて……家出にしても長いかなって思うんですけど、それで、なんか、考えすぎかもしれないけど……」

最後の言葉は喉に突っかかってなかなか出なくて、ようやくと言ったふうに吐き出した。

「何の根拠があるわけでもないけど……攫われたんじゃないかって気がするんです。その、吸血鬼に」

思えば昔からそうだった。ネガティヴな結果に直結する悪い予感が、千草は昔から鋭かった気がする。

仲間のことを口にするクローリク。その嬉々とした様子は先程とは比べようもなく嬉しそうで、ペースを呑まれた千草は「あ、ああそうなんですか」と狼狽し気味になる。
そして——やっぱ変態? と、残酷なことを思った。

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.295 )
日時: 2015/09/08 14:11
名前: 佐鳥 (ID: LuHX0g2z)
参照: 何だか至らぬ文章ばかりで申し訳ないです



>>霧時雨様


【貴重なお爺ちゃんキャラ有難うございます! しかし、サンボイの一つは指定つき故に、一番上は指定通りになる様な台詞をお願いします。それから備考及びその他欄が少し惜しいです;; 行ってしまいますと、関連人物について語って頂きたいです。訂正お願いいたします<m(__)m>】

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.296 )
日時: 2015/09/08 19:09
名前: 霧時雨 (ID: 9MGH2cfM)

>>295

あああああすっかり忘れてました!!すいません!
訂正しておきました、これで大丈夫でしょうか!本当にすいません!(ジャンピング土下(ry

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.297 )
日時: 2015/09/08 20:42
名前: Dietrich (ID: 3YwmDpNV)

【夜中のとある道中/ラヴレンチ=ヴォスコボエワ】

「あはは、驚いた? でもそういうおもちゃって子供は大好物なんだ。ほら、光りものが好きなカラスと同じ。カラスって子供並みの頭脳を持ってるって言うじゃないか」

 話が飛躍する。等々にカラスの事を思い出して口にし、そう言えば話題には何も関係がない事を思い出してごめんごめん、と軽い調子で謝ったが本人に謝罪をした後のふさわしい表情はない。すがすがしいまでに明るい笑みのラヴレンチは、少女が今きっと、おもちゃの十字架に向かって何と言っているのか、ひとりでに妄想していたのだ。

 自分はもともと日本で生まれたわけではないし、幼少期はあまり裕福とは言えない家庭で育ったため、あまりおもちゃと言うもので遊んだ記憶はない。十字架は神聖なものだった。軽く扱ってはならなかった。お祈りをしに日曜日には自分の十字架を握り締めて近くの教会に行ったものだ。周りにはたくさんの同年代の子供がいて、誰もかれも自分よりも立派な服を着せてもらっていた。幸せそうに笑っていた。

 懐かしいと思うが、もうあそこに帰ろうとも思えない。既に母国の言葉は忘れてしまっている。それに自分がいたあの場所ももうないだろう。少しだけ辛いと思う。所謂故郷がないのだから。でもそれもそのうちどうでもよくなるだろう。今まさにどうでもよくなっている最中でもある。

 少女のごめん、の声に思わず口を閉ざす。此処まで自分が取り乱したのも久しぶりだったため、本当に恥ずかしいと感じていた。何とか表情に出ることはなかったようだが、どうやら彼女には感づかれてしまったらしい。照れ笑いを浮かべながら、ラヴレンチもごめん、とそう返した。

「……いや、ね? 自己紹介なんてやったこともないから戸惑っちゃって。あ、でも僕が正義のヒーローだってことは変わらないから安心してね? 決して西洋の怪物でも、極東の妖怪でも、夜中にうろつく変態でもないから!」

 明るい調子を取り戻したラヴレンチは、少女が自ら話し始めてくれた、その言葉に耳を傾けていた。やはり、彼女には他の人間は体験していないだろう、この世界に本当に存在しているのか果たして分からない、そんな怪物の影を見たのだ。

 それを阻止するのが自分たちの仕事のはずである。息が微かに苦しくなった。

「……そっか。それは辛かったね……その子が家出であることを僕も願うよ。いつか帰ってきてくれた方が心も晴れるしね」

 普通に事件に巻き込まれた可能性もあるが、この少女が危惧するように、もしかすると吸血鬼が絡んでいる可能性ものあるのだろうか。悪い予感だけは人は的中させる能力を持つ、虫の知らせと言うやつだ。彼女のように、ピンポイントの不安は当たる可能性も高い。

「……それでも、最後まで希望は持つべきだよ。君はその友達を待っててあげて、もし、帰ってきたら一緒に笑ってあげたらいい。そうしたらきっと君の心も晴れる。もし、帰ってこなくても、君が君の友達のような人を出さないように出来ることがあるかもしれない。あまり下を向いちゃいけないよ、でもだからと言って無理に前を向くこともないからね」

 前を見ることができなかった自分が言っても、この言葉は何とも空虚な響きを持ってしまう。少し哀しげにラヴレンチは笑った。

「ほらほら、元気出して! 大丈夫、今の君には僕がついてるんだから、ね?」

 急に元気づいたラヴレンチはにこりと笑みを見せて道を歩き始める。今は暗い話より明るい話をしよう。彼女を元気づけたい。良い感情だ、自分も明るくなれるからましだ。苦しい話はまたあとで。

 それでも彼女の話は嬉しかった。正直な感想として。

「僕に話してくれてありがとう。きっと君は幸せになれるよ。なんたって寂しがり屋のクローリクの足には魔よけの作用もあるんだ。こんな僕を信じてくれた君にはその力を授けよう」

 おどけた様子で笑うラヴレンチはいつものように、仲間の前で見せるような笑みを浮かべていた。

Re: 【吸血鬼】『 トロイメライの隠し場所 』【研究部】 ( No.298 )
日時: 2015/09/10 02:52
名前: 肉球 ◆V3sV8pUxpk (ID: UcGDDbHP)
参照: http://遅れてすみませんでした

>>287
【何処かの暗い道/ウラジミール・アバルキン】

敬礼について説明すると奴は謝罪し苦笑いをする

『では、これにて。警察さんも夜道には気をつけてください。大丈夫だとは思いますけど、ね。』

そう言うとクスッと微笑み俺に背を向け歩き始める

奴は吸血鬼だと言う事は分かっているから後ろから首を掻っ切るか?

ダメだ危険すぎる。

運の悪い事に今俺はほぼ丸腰だ

武器はポケットにある銀のナイフ一本だけだ。どんな馬鹿でも素手で吸血鬼に立ち向かう奴はいないだろう。(ウルフマザーを除く)

これが任務なら間違いなくハンドガンで後ろから奴の心の臓を撃ち抜いてただろう

じゃあ今俺が出来ることは1つだ

「そっちも気をつけろよ………最近奴らの中には『共食い』をするヤツもいると聞くからなぁ……Вампир?」

あぁ…懐かしい……母国の言葉

さて…奴は気づくかな……?

俺が自分の母国の言葉で貴様を「吸血鬼」と読んだ事をなぁ……?

「すまない…君には意味がなかったなぁ……?それじゃぁ俺も帰る……до свидания…」

俺も別れの言葉を言い帰ろう……

彼のロシア語は母国の言葉と言う事もありとても流暢だった

【>>霧時雨様
ウラジミールのロシア語についてですが
『Вампир』読み:ヴァンピル
意味:吸血鬼
『до свидания』読み:ド スヴィヴァーニャ
意味:さようなら
です
いきなりロシア語登場させてすみませんでした】







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