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- Re: 『 龍桜戦記 』〈 長文以上中文未満 / イベント中 〉 ( No.18 )
- 日時: 2016/08/28 00:40
- 名前: 林銭 (ID: s2qZnqsK)
>>17
【 鬼ノ宮 来都 / 龍ノ国 】
(ーー…此処に立つのは何時振りだろうか。二年、いや……)
鮮やかな桃色の花弁が舞い散る橋の上でふと辺りを見渡せば、川を挟んだ両側の道には桜の木々が並び、どこに目を向けても龍や鬼の面を着けて歩く人々で賑わっていた。
此処に生きる人々は、絶えず降り続けるその花弁を『当たり前』の光景だと思い込んでいたのだろう。
今現在も、国境付近の桜の木々は痩せ細り枯れてしまっているが、少し歩けばこの国の本来の姿があり、ふと視線を落とせば川の水面さえも鮮やかに彩られている。その隙間に映る自分の表情から僅かな迷いを感じた来都は瞳を閉じて脳裏に妹と弟の顔を思い浮かべた。
一人悩み抜いた日々はとうに過ぎ去ったはずだ。これ以上、何を迷う必要があるというのか。
再び水面を見詰めると、顔の上半分を覆い隠す龍の面をした来都は、その面から伸びる立派な二本の角、更にその奥……自らの頭部から生える二本の禍々しい角を見て目を細め、口元に小さく笑みを浮かべて踵を返した。
「……少なくともあの子らにとっての『善』でありたいとは思う。しかし、人々は俺のことを『悪』と呼ぶのだろうね。」
来都の呟きは喧騒に掻き消され、誰の耳に入る事も無かった。誰に知って欲しい訳でもなかったが、今も逸れてしまった弟の姿を探し人通りの多い道を進んでいる来都にとって、それ以上に大切なことなど何一つ無い。それは鬼の中に唯一残る人間としての心でもあった。
ぼんやりと考え事をしながら歩いていると突如脇道から飛び出して来た少年とぶつかり、その拍子に少年の手元から足元に落ちた風車を拾い上げる。
子供は可愛いものだな、と、そう思う感情も嘘偽りではなく来都の中に確かにある感情の一つだ。しかしながら、龍ノ国に入る為に国境に居た烈旋隊の隊士を斬り捨てた際、微塵の躊躇いもなかったことも確かだ。
あの隊士は生きているのだろうか。生きていたとして、今はもうすっかり妖気に侵され、人間とは言い難い醜い心を持つ存在へと変貌を遂げていることだろう。
擦れ違った少年の後ろ姿に目を向けると、その手に何本もの風車を抱えて駆ける少年はすぐに人混みの中に姿を晦ましてしまった。改めて周りの人間達に目を遣れば、行き交う人々の手には風車が握られており、何人かの子供達が風車を配っているようだ。
少し離れた所から弟を探した方が効率的かと来都は人通りの少ない道へと進み石垣を見上げれば、何処か懐かしさを感じる人物の姿がそこにあり、くるくると回る風車を翳し見ているその人物を面越しに見る来都は、穏やかな表情で東子に語り掛けた。
「……そんな所で何をしているんだい?」
… … …
リハビリ駄文で申し訳無いのですが折角なので絡ませていただきます…!お相手よろしくお願い致します。
>珠季様
前スレでの事があったので襲くんと逸れたというような描写にさせていただきましたが、問題があれば修正しますので何なりと仰って下さいませ!
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