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Re: 『 レイニィデイコメディアンと血の惨劇 』 ( No.28 )
日時: 2016/08/27 21:22
名前: ~ (ID: bUOIFFcu)

【アイ/見世物小屋付近】

ぱらぱらとまばらな拍手が起こり、中からたくさんの人が出てくる。
端的に言って、朝一番の見世物は面白くなかったのだろう。小屋から出てきた人々の話を盗み聞きすればまるわかりだ。見世物についての話題がまるで出てこない。

そんなつまらない見世物だったのに、なぜ人々は小屋を出ずにここに集ったままだったのか、更に警官たちが数人ここに来ている理由はといえば―――

『ねぇ聞いた?あの、レイニィデイ......えっと......』『これで3人目らしいよ?』『ほんと物騒で嫌だ......』『警官がぎらついてて子供が怖がるのよ、やめてほしいわね』

―――それは、レイニィデイコメディアンのせいだろう。
やたら長ったらしいこの名前は、勿論その人の本名ではなく、誰かがつけたあだ名みたいなものらしい。雨の日に限って出没し、人の命を奪う殺人鬼―――を、具現した名前をつけようとしたようで、割とぴったりな名前じゃないかと思う。警官たちは事情聴取のために、人の集まるここに来ているようだ。

そんなビッグな話題で持ち切りなうえに、見世物もつまらないときたら、もうすることはひとつしかない。本来ならおばさんとかが好きな世間話ってやつ。こういう事件が起こると、人はいつもより割り増しで下世話になるらしく、あることないことをぺちゃくちゃ喋り倒していた。

じゃあ、ぼくは、そんな人々をぼうっと眺めて、何してんのかといえば。

『あら、どうしたのあなた?』

お姉さんというにはいささか歳をとっているであろう女性が、ちょっと身をかがめてぼくに話しかけてきた。ぼくの身長じゃ、子ども扱いなのは仕方ないけど、これでも一応15歳なのにな。
だからぼくは、

「んー、そっちこそどうしたの?おーばーさんっ!」
『まぁっ...!失礼な子ね!』

...どうせここから先の人生でこの女性と関わることなどないだろう。にやりと悪質に口角をゆがめておばさんと呼んでやれば、おばさんは顔を赤くして立ち去っていった。

こういうのは、実に愉快だ。

「んふふー、ふーん、ふふーん」

鼻歌を歌いながらその場を離れ、てくてく歩いていく。もっと面白い誰かに会えないだろうか?

【投下してみました。不備がありましたら仰ってください。誰かが絡んでくれると嬉しいです】