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Re: 【中文】不思議なサーカス団【募集中】 ( No.56 )
日時: 2016/10/16 16:14
名前: 咲来 ◆hjAE94JkIU (ID: EkFUTbCM)

>>52

【大変お待たせ致しました。お暇な時にでも返してくださると嬉しいです。】

【アネル=ハーバルト/本編】


「…っう、別に胡散臭くないし。唯、最初って事もあったから演技しただけだしー。ん、それなら仕方ないかもな、今更自分の考えを押し付けるつもりなんて更々ないし。主がそれでいいと思うならそれが正しいんだよ」

やはり、胡散臭くさいと言われたのが気に食わなかったのかアネルは思いきり口を尖らせた。子どものように軽くへそを曲げては、尚も言い返しそうになる口を何とか抑え一つ咳払いをした。

何時までも意地を張っていた所で埒があかない事くらい頭の中では十分に理解している。だけど、心の中で矛盾が起きていてどうしても意地を張ってしまうのだ。分かっているけど認めたくない、知っているけど、信じたくない。好きな人から、真実を言われるなら尚更。やはりグサッと心に突き刺さる物どこかしらあって意地を張って否定したくなるものだ。やはり好きな人にはカッコ良く移りたいと思うから。これすらも自分の単なるエゴに過ぎないかもしれないけれど。

「あ、暑いったら暑いんです。主、今日意地悪すぎませんか?普通なら立場逆だと思うんですが。僕だって、主に言わせたいですよ。僕が言った所でなんの面白みもありませんし」

先程よりも確実に顔の赤みは増していく一方で、暑いのかパタパタと仕切りなしにアネルは手を動かした。言葉通りどうやら彼女から言うつもりは本当に無いらしく、楽しそうにこちらに向かって笑すら浮かべている。となればこちらから言うのが必然となる訳なのだが簡単に「好き」何て言えない。言えるなら今この状況に苦労なんてそもそもしていないのだ。伝える事は簡単だけど、1歩がずっと踏み出せないでいる。きっと思いを伝えたら彼女は答えてくれるだろう。だけど、どこかしらこの関係でいいんじゃないかって満足している自分もいるのも否めない。

この関係が壊れるのが怖くないって言ったら嘘になるし、この居心地のよい関係を本当は壊したくない。だけど、思いを伝えないならこのままで一生彼女に手は届かないままだ。ずっと、主と使者のまま。思いを伝えよう、そう思い直し行動に移そうとした瞬間彼女の悲しそうな、何処と無く儚い声が聞こえ思わず言葉を飲み込んだ。

「僕の言うことやはり信じられませんか?今の主、僕には自分自身の事まで信じて無いように見えます。僕の事は信じろとは無理には言いません。けれど、自分自身は信じてくださいよ。そんな主見てるとこちらまで苦しくなります。確かに、僕が今此処で言った事は嘘か誠か証明する術はありません。でも、こんなにも愛おしいと思うのもずっとそばに居て欲しいと思えるのも出会った頃からずっと好きだったのも僕の中では主、貴女だけですよ。因みにこんなに人を好きになったのも主が初めてですけどね。まあ、この言葉を信じるのも信じないのも全て主次第ですよ?」

差し出していた手を今1度引っ込めればコツンと彼女の額に自分の額を合わせ両手で彼女の頬を優しく包み込んだ。至近距離で愛を囁く何て持っての他だと思っていたけど、今は何故だか恥ずかしくなかった。すんなりと口から言葉は零れ無事に彼女に自分の思いを伝えられたと言うことに幾分かほっとしているのだ。

だが、彼女が先程言葉を零したようにこの告白だって嘘か誠か何て証明する術はない。唯、自分の気持ちが少しでも伝わればそれで満足なのだ。仮に彼女から拒絶され、信じてもらえ無くても。


「ええ、勿論です。それが主のお答えとあらば僕は何だってしますよ」

ズボンに付いた草などを一通りパタパタと払い終われば再び彼女の前に手を出しニコリ、と何時もの笑顔を見せた。