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Re: 【中文】四つの国と妖怪達【募集中】 ( No.32 )
日時: 2016/08/20 11:47
名前: 月無 (ID: nLPrrFyW)

【いささか絡みにくいかもしれませんので、変えてほしい!というようなご要望があったら何なりと!
お相手お願い致しますm(_ _)m】


>>30


【御伽 藍羅/東の国の国境付近】

木々を揺らす風は暖かく、小鳥のさえずりは心地よい。
大きな木の枝の一つに座りながら、少年はある一点を見つめていた。


「...どうやって行こうか。」


目線の先には大きな壁、それは国境を分かりやすくするために建てられたものだ。少年が幼い頃からあるそれは崩れることなく、しっかりと役目を果たしている。昔は敵襲を防いでくれて感謝していたが、今となってはただ邪魔なだけだ。これでは国の中へ入ることが出来ない。

少年__御伽 藍羅は死んだことになっている。何でそんなことになっているのかも、どうしてこんなところにいるのかも謎ではあるが、今は関係ないのだろう。 藍羅の脳内を占めるのはただ一つ、目の前の壁をどう乗り越えるかである。国に入るにはあの壁を乗り越えなければならない、それしか藍羅に方法は無いのだ。


「不便はないから、そう思っていたんだけどな...。門を通ろうとしたら名前やら確認されるだろうし、バレたら大騒ぎだ。そんな事態は避けたいんだよなぁ...。」


本来ならば門を通れば良い、けれど死んだことになっている藍羅にはその手が使えなかった。なにせ入ろうとしている国は東の国。想い人であり、今や長となっている琥珀のいる国だ。面倒ごとを起こして迷惑はかけたくないし、何よりも真っ先に会いに行きたかった。 誰にも邪魔をされず、久しぶりに二人で語り合いたいと思うのはいけないことなのか。いや、至極真っ当な事だろう。

何百年と会っていないあの少女は、今どんな風に成長しているのだろうか。何度か言葉を交わした子供たちの話によれば、昔の面影はあまりないように思えた。勝負事が好きなのに変わりはないようだったが、お酒何かはあまり好きではなかったはずなのに。一体どういう心境の変化があったのだろうか。


「あー...誰かが来て、国境の門を通るのを待つか。門番の目をかいくぐるぐらいなら、まだ出来るだろうし。」


一直線に続く道を見ながら、早く誰か来いとそう願った。