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Re: 真実の果て、愛は狂う【募集中】 ( No.106 )
日時: 2016/10/04 23:29
名前: みこと (ID: 6vo2Rhi6)

>>102

【楠木 莉乃/教会】

えっ、と莉乃は驚き小さな声を上げた。
気配にはさとい方だと自負していたが少女に声をかけられるまで全くその気配には気が付くことが出来なかったのだ。
敵か分からず身構えたが、少女を視界に入れた瞬間、彼女は警戒と息の仕方を忘れた。
時間で表してしまえばほんの一瞬だがその一瞬は梨乃にとって長いものだった。
ステンドグラスから差し込む幻想的な月光でさえ少女の引き立て役にしかならないような現実離れした美しい少女が彼女の前に現れたのだ。
そして少女の眼に、笑っている眼に彼女の眼が奪われる。

「きれい。」

自分の性癖の所為だけとは思えないほどに今まで見てきた眼の中でも一二を争う美しさだった。
触れればこちらが呑み込まれてしまう美しさ。
昔一度読んだ物語に出てきた月の精霊によく似た神々しくもどこか妖しい少女の前に莉乃はただ呆然と見つめるしかできない。

そして永遠と錯覚してしまいそうになる一瞬が終わると梨乃はまた驚く。
少女がシスターと呼ばれる修道者のはずだが少女の発言はどう聞いても無神論者の発言だったからだ。
普段ならシスターって神を信じてる人がなるものじゃないの?と首を傾げてしまうことだろう。
だが、それよりも何よりも莉乃は聞き逃せない発言があり、それどころではなかった。
そして少女をし見つめゆっくりと口を開いた。

「居ない存在になんか祈らない。でもカミサマは居る。皆気付いてないだけで普通に暮らして普通に生きてる。」

彼女は神に祈らずなんの関係も無い存在に祈っていたことを悪びれもなく言うと嬉しそうに尊ぶように頬を緩ませ笑った。

「だってカミサマは普通の人間だもの。」