オリジナルなりきり掲示板
- Re: 真実の果て、愛は狂う【募集中】 ( No.112 )
- 日時: 2016/10/09 18:29
- 名前: みこと (ID: 6vo2Rhi6)
>>107
【テスト週間中なのでしばらく返信送れます;;すみません】
【楠木梨乃/教会】
神は居ない。少女はまたそう言うと微笑んだ。
はっきりと居ないと言う人は今までにも何人か見てきたが、それでもまるで世の理を説いているように自然な口調で、澄んだ眼で否定はしていなかったと記憶している。
シスターとしては珍しいと思っていたが普通の人でもここまで確信を持って言ったりはしないだろう。
この人は、どんな人物なんだろうか。あの眼は、ナニを見てきたのだろうか。あの眼の奥にあるものに触れたらどうなるんだろうか。
莉乃は少女に対する興味がふつふつと腹の底から込み上げていくような感覚を覚えた。
神は居ないと言いのけて莉乃に対し理不尽に怒ってきたり憐れんできたり可笑しなことを言ってきたりしない。
それどころかギルドのメンバーには梨乃の個性として受け入れられてたカミサマへの信仰を信仰として認めてくれた。
ありがたいことだが正直あまりここまでしっかりとした理解を他人から得れた覚えはない。
珍しい人もいたものだ。彼女のような感性を持っている人はきっと少ないだろう。
出来るならこの少女のことを知りたいと抑えられないどころかむしろこのままでは溢れ出てしまうほどの興味。
徹底的に冷やされていた水が徐々に沸騰していくのによく似ている。
「貴女、シスターぽくないね。人を神と同等に扱うなんて神に対する不敬ですーとか何とかワケ分かんないこと言ってこないから楽でいいけど。」
莉乃は片膝をついた格好をやめて両膝を抱え込むように座り直してから不思議そうに、しかしどこか嬉しそうに言いながら少女を見つめ返し微笑む。
月の精霊ですと言われても今なら信じれそう。
心の中で一瞬はそう思ったが、すぐにありえないと否定した。神さえ居ない世界に精霊という存在が居るはずもない。
カミサマだって人間だ。人間だからこそあの御方はカミサマだ。
だからこそこの人だって人間だ。
うんうんと軽く頷きながら自分の中で勝手に完結させた時、少女の溜息が聞こえた。
「あぁ、自己紹介してなかったね。私イレギュラーパレードの楠木梨乃っていうの。」
自己紹介をしていなかったことに対して緩いと言われたのかと誤解し莉乃は軽い自己紹介をする。
これでどうだと言わんばかりの笑みだった。
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