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【ラクト/安都の人が多い大通り】

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安都が光ったかと思うと、あれよあれよというまに男がでてきて
謎の言葉を残し去っていく。一方そのころ、紺色のマントを羽織っている
青年は怪我をしてしまった右腕を抑えながらとある大通りでぼーっと
空を見上げていた。

（・・・なんだこりゃ。）

先程の言葉の意味を理解できなかった青年は、心の中でその答えを
探していた。５時間程その場でぼーっと空を見上げたのち、歩き出した。
右腕をひきずる様にして、意識が朦朧とする中大通りをふらふらと歩く。
ところどころぶつかりながらあっちに行ったりこっちに行ったりと、
帰る場所がない様に大通りをしばらく歩き回ると、壁に持たれかかって
座り込み、呼吸を落ち着かせる。落ち着いてもなお、呼吸は荒く続き、
周りの視線が突き刺さる。

「なんだったんだよ、アレ・・・。」

本当に小さい声で零す様に一言呟くと、立ち上がろうと体をおこす。
場所を移動しようと速足で移動をすると、大きな音をたてておもいっきり
転んでしまう。その姿はあまりに滑稽で、周りにいた男達がわざとらしく
笑い転げる。

（今日はツイてねえなぁ・・・謎の助言といい、怪我といい・・・。）