オリジナルなりきり掲示板
- Re: 真実の果て、愛は狂う【募集中】 ( No.71 )
- 日時: 2016/09/19 15:19
- 名前: 咲来 ◆hjAE94JkIU (ID: EkFUTbCM)
- 参照: http://お待たせいたしました。
>>70
【今和泉 京花/街の中央にある公園】
「そうよね、此の時代だって少しずつ変化していく訳だし未来がどうなるかなんて誰にだって分からないわ。僕だって今は政府に所属ているけどこの先どうなるかなんて分からないもの。そう言うの考えたくもないけどね。安心されるんだったら言わない方が面白かったかもね。少しは君がおどおどと動揺するところ見たかっただけどなあ」
パンと両手を合わせれば大きな音と共にそう呟いた。先程から、剣先を幾ら相手に向けても驚いたり怯む様子を見ることすら出来ない。その様子に思わず落胆する。少し位は驚いてくれてもいいと思うのに逸れすらないとなると、怖くない、余裕とでも言いたいのだろうか。
此は唯、自分の勝手な想像に過ぎない。頭ではそう分かっていても悔しさや相手に沸々と吹き上がる怒りすら覚える。
思い返せば初手から間違っていたのだ。少しの興味本位から近づき声を掛け、手合わせをお願いし今に至ると言うわけなのだが今の状況は彼女にとっても何の面白味も感じることは出来なかった。逆に相手に失態を見せているだけである。そうなるなら最初から声を掛けずに近づき剣を突き刺せば良かったのだ。
そう思えば顔は曇り、相手へと向けていた剣を綺麗に鞘へと収めた。その場から1歩下がり降参とばかりに上に手を挙げ微笑する。物事に対して諦めることがなかった彼女にとってはその行動は珍しかった。然しこれ以上続けても相手に剣を当てることすら難しいと結論付けての行動であった。
「本当に怖いとか思っているの?僕には其が本心だとは思わないけれどね。僕は構わないよ。話せなくたって。だって、回りから文句を言われずにすむし。その方が好都合なんだけどなあ」
予想通り難なく髪留め型のナイフはキャッチされ思わず調子が狂う。こんなことで落ち込みなんてしないが多少は自分の腕に自信がなくなったりするものである。
「そっか、でももう手遅れだろうね。元からねじが外れてるし修正不可能だと思う。自分自身が血が通ってない等と言うつもりはないけどほんの少しは逸脱していると思うよ。あくまで、予想にすぎないけど。__ちょっと、その髪留め返してよ。人から貰った物なんだよ。僕の大切な物なの。」
キャッチされた髪留めをどうするのかと見ていると相手は此方に向けて返すわけもなく髪留めを綺麗に元通りに戻せばポケットの中に仕舞ったではないか。頭では返してくれると分かっていても思わず口から言葉が溢れる。上記の言った事は本当であり彼女の手によって少しは改造されたものの大事なもので有ることは確かであった。
「隠蔽はしているだろうね。隠す必要なんてなかったらもう既に公表されているだろうし。だから政府は本当の事を隠蔽してまでも知られたくない情報を握っているのは確かだろうね。其が政府にとって不利になる情報かすら分からないけど。知りたいってほど興味は無いけれど少しばかりで話してくれてもねえ」
そう一人呟いた所で政府が話してくれるなんて更々ないと思うが呟く位なら良いだろう。政府が其処までして隠蔽したい情報に興味が沸かないと言えば嘘になる。だが、政府の回りを嗅ぎ回ってまで手にいれたい情報かと聞かれるとそれも其でまた違う気がする。だから政府がいつか話してくれる迄待つことにする。其が何年前かかったとしても。其処まで頭の中で考えれば思考を絶ちきり再び相手の話へと耳を傾けた。
「そっか、僕からは話を聞いても頑張れとしか言えないけれど無理も程ほどにね。探求するのとか自分が知りたいと思うことを追うことは悪い事じゃないって僕は思うよ。話してくれて、有り難うね。」
珍しく自嘲気味に笑う彼にほんの少し驚きを隠せなかったが其処には触れずこれ以上相手に追求するつもりはなかった。聞けば聞くほど、相手の昔の記憶を自分が掘り返している気がしてならなかったから。そう言うことに関しては一切関わらない方がいいのである。関わって余計なことをするよりかは確実に。
いつもの笑みに戻った彼に何て声を掛ければ良いのか分からずその場で返事を返すことなく口を固く閉ざした。
【ノア/街から少し離れた森の中】
街から少し離れた所にある大きな森に彼の姿はあった。彼__ノアは、いつも通りに寝付けなかった事もあり気分転換がてらに一人森を訪れていた。
いつ来てもその森は不気味なほど薄暗く何か出そうな雰囲気を醸し出していた。それ故に余り人は近づかずノアにとってはお気に入りの場所であり唯一静かに過ごせる場所でもあった。そして此の森を訪れるのがノアの日課でもあった。
「やっぱり、此処はいつ来ても落ち着く場所だな。静かだし人は居ないし。気分転換に此処に来て正解だったな。」
何をするわけでもなくぶらぶらと散歩をすれば近くにあった切り株に腰を下ろす。空を見上げれば満点の星が目に止まる。思わずその光景に息をのみ「綺麗だ」何て柄にも無いことを呟いた。星が輝いている此の時間帯は此の場所は最高の眺めでもあった。
ついつい綺麗で見とれてしまったが本来の目的を思いだしガバッ、と効果音がなりそうな程勢いよく立ち上がる。此処には星を見るために来たわけではなく剣の修行を一人で行うために来たのである。
「んー、ここでいっか。」
うろうろとその場を動き回りよい場所を見つければ近くにある木にジャケットをぶら下げる。そして今一度回りに人が居ないことを確認すれば鞘から剣を抜き出し一先ず近くに立っている木に向かって剣を振り上げ抜刀する。何発か打ち込めば木は倒れその行動を繰り返し倒れてはまた違う木へと移っていった。
夜と言うこともあり念のため力は押さえているものの、木の倒れる音はどうすることも出来ず大きな森に響き渡った。暫く木に向かって打ち込んでいたノアだったが満足したのか剣を鞘に収め来た道を戻り始める。
「そろそろ、時間も時間だし帰るか」
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