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Re: 【中文】幸福days 【募集中】 ( No.83 )
日時: 2016/09/26 21:57
名前: 日比谷 (ID: WR6BJnUH)

>>72

【真柴 彩香/美術室】

彩香の声に反応して顔をあげた祐樹が安堵の息を吐いたのを見て、そういえば彼も自分と同じ人見知りだったことを思い出した。

今では自分の事を“まっしー先輩”というし可愛らしい愛称で呼んでくれているが、ここまで距離を縮めるのにかなりの月日を要した気がする。事務的な連絡でさえどこか素っ気ないやりとりをしていたのに、いつの間にあのよそよそしさは解消されたのだろうか。きっかけとなる何かが起こったのか、それとも時間が解決してくれたというやつなのか。もうすっかり忘れてしまっている自分に呆れ、内心で溜息をついた。

「祐樹くんも授業お疲れさん。そうなんよ、さっきまで美術室独占してた。」

部室に足を踏み入れ荷物を置いた祐樹をそのままの流れでぼんやりと眺めていると、いつもなら荷物置いてすぐに部室を出ていくというのに、きょろきょろと辺りを見渡してある一点で視線を止めたことが分かった。その視線を辿ると自分の前に置いてあるキャンバスで、彩香はああ、と納得した声を出す。
祐樹が絵を描くことと同じくらいに絵を見ることも好きなのを知っていたからだ。多様な美しさに触れることを恐れず拒まない、それは彼の美点だと思う。

「ふふっ、祐樹くんて子犬みたいでほんま可愛いよな。…んーと、そうやな、うん、描く。コンクール用に桜の絵。」

きらきらとした子犬のような瞳を向けられ素直に言葉に出てしまう。そして、少し考えてから「何か描くんすか?」という質問に答えた。
肯定する言葉は、迷いを断ち切るような思いのほか力んだ声で言ってしまい、彩香は慌てて「この前、あ、この前って言っても1か月くらい前なんやけどつっくんと夜桜見に行ってなー。それがめっちゃ綺麗やったんよぉ。」と明るい声音で言葉を続けた。

人見知りの自分には誰かと急に距離を縮めるなんてことはできやしないと知っていたのに、無駄に悩んで部活にまで支障をきたして。そんな自分が馬鹿馬鹿しく思われて口元に手を当てて小さく笑うと、彩香はまっすぐにキャンバスを見つめる。

「…今日は下塗りまでしかできんと思うから、そんな面白くないだろうけど……部室におったら自由に見れるよ。だから、祐樹くんも今日は部室でおらん?」

こんなことを売り、というか、彼を部室に留める口実になると本気では思っていないが、キャンバスから祐樹に視線を移すと照れ笑いが混ざった声で問いかける。


【とても可愛いあだ名をありがとうございます!ぜひ、まっしー先輩でお願いします…!】