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>>81-82
【白樺 菓/演劇部部室】

「なるほど...幸せになるってことでもいいんですねっ」

御倉先輩の言葉に顔を明るくし、いろいろ想像を巡らせてゆく。寝ることが幸せ。意識がある状態よりも、意識が無い方が、幸せ。そして、大切な人が寝ていることが幸せ。...そういう人もいるのだ、そう、いるのだ。
そうやって頭の中で考えていれば、一瞬だけどこか遠くを見た部長の顔が見えた。そして呟かれた言葉に首を傾げる。

「うぶ...って...？」

思考が子供だからか、そういった話題に触れてこなかった純粋さからか、初心という単語自体初めて耳にした菓だった。こんな感じで高校生とか大丈夫かと思うだろうが、実際菓がこうした性格でいられているのは、周りの環境に恵まれたからといって過言はないだろう。

「...ま、いっか」

今は役のことを考えよう。他のことはいい。
せっかくうさぎさんの寝巻きの絵を描いてもらったなら、どうにかしてうさぎも使いたい。うさぎさんにちなんで...。先輩たちは吸血鬼とかウンディーネだから、化け兎とか？