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Re: 【中文】幸福days 【募集中】 ( No.86 )
日時: 2016/09/28 00:44
名前: みこと (ID: 6vo2Rhi6)

>>83
【よかった…!!ありがとうございます!!】

【田辺 祐樹】

美術室を独占。

とても楽しそうで少し寂しくなるような不思議な感覚を味わえそうな言葉だと彼は思った。
実際がどうであれ少し興味が湧いたのは事実である。「今度やってみようかな。」とぼそりと声を漏らした。
思い返せば、祐樹は一年の頃から今まで一番乗りしたことがない。いつも美術室の扉を開けば誰かが居て絵に向き合っていた。
中学の頃なら何度か味わったが高校生活が色が鮮やかで新鮮で刺激的なせいで急ぐようにどんどん新しく塗り潰していったからか彼自身が全然覚えていない。
しかしそれは悲しいことではなくどちらかというと嬉しいことだ。

彩香の力強い声で返ってきた言葉に彼はただただこれから彩られるキャンバスに心が躍った。

「桜すか!しかも夜桜!きれいて話は聞いてたんで見たかったんすけど機会なくて……どんな感じだったか先輩の作品今からすげぇ楽しみっす!……あ、えと高坂先輩とっすか。やっぱ夜は一人は危ないですもんね。その楽しかったすか?」

そのせいで我に返った時にはもう思ったことのほんの一部が垂れ流れてしまっていた。
その後急いで取って付けたような言葉を発してしまいどうも決まりが悪く目線を逸らすはめになったのだが。

「……ん?俺が子犬っすか。せめて成犬にして下さいよ。」

そんな折、ふと祐樹は彼女の言葉を思い出し驚いた顔を向ける。
自分の身長は平均よりは高めだと思っていたので彩香の言葉には意表を突かれた。
まさか自分が子犬とは。彩香の発する言葉は想像がつかないから面白い。

今だから言うがこんな他愛のない話ができる、ということは本当にありがたいことで内心祐樹は彩香に感謝してもしたりない。
入部当初の自分は先輩にとっては愛想のない可愛げもない後輩だったろうに変わらず優しい笑顔を向けてくれていた。

優しい人、だ。

そう心の中で呟きながら邪魔にならない程度にほんの少しだけ彩香に近い所に椅子を持っていく。

「お言葉に甘えて今日はここにいます。1年に愛想良くできる保証はまだねぇっすけど。」

背もたれを前にして跨るように座り彩香の目見つめ返して少しだけゆるく笑った。