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Re: 【中文】幸福days 【募集中】 ( No.92 )
日時: 2016/10/01 23:34
名前: みこと (ID: 6vo2Rhi6)
参照: ぐだぐだしてしまう…

>>91

【田辺 祐樹/美術室】

今、あの人の眼の前には夜桜が映っているのだろうか。
そう思いながら宙に向いた彩香の眼線の先にあるであろう所に祐樹も視線を向けてみる。

「……かなり楽しみにさせてもらいます。綺麗なもん見てスケッチできてたってそれすげぇ満喫してるじゃねっすか。」

これから描かれていく絵をどんなものかと楽しみし思いながらも絵のことになると自制が効かない自分はまるで小さい子どもみたいだと恥ずかしく感じていた。
そして少し遠い眼をする彩香にどう返事するか悩んだ挙句触れないまなになってしまい、自分の会話力の無さと察しの悪さを痛感する。
人見知りも問題だと思っていたが対人関係全般が苦手とは正直笑えない。
祐樹が自分の失敗を苦々しく思いながら彩香の準備している姿を追っていると彼女から発せられた言葉とくすくすと本当に楽しげに笑う目の前の彼女に抗議するように不満そうな声をで返す。

「いや、大事っすよ。成犬はかっけぇじゃねっすか。俺に可愛いって言えるのまっしー先輩だけっすよ。つか可愛いて言葉が似合うのまっしー先輩の方ですよ。」

なぜ自分が可愛いと言われなければならないのか、とんと理解ができないししようとも思わなかった。
そんな時、彼の耳にまた信じられない言葉が入ってくる。

「はぁ!?俺がステリアスでクールな感じがしてかっこいい!?冗談だろ。実物こんなんだっつーのに……。」

ガタリと椅子から立ち上がり勢い良く頭を横に振る。
いつもなら砕けてはいるが敬語で言えたであろうことも今回はそうもいかなかった。
実物はただの人見知り拗らせている男だというのに、一年に都合よく美化されてしまっている。

「……先輩、後輩が未知の生物みたいに思えてきた俺ってやばいっすかね。」

そう絞り出すように声を出し彩香に意味のわからない言葉を告げるほどに困惑は酷かった。
彩香を困らせてしまうということは分かっているのだが、彼一人では抱えきるには事は大きすぎた。