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- Re: Over alive【命を狩る者とそれに抗う者】 ( No.69 )
- 日時: 2017/08/13 05:33
- 名前: 間宵蛾 ◆d.b5UMeNLA (ID: Wr6tueHl)
>>67
【町中のコンビニ/エカテリーナ・ジノヴィエヴァ】
隣の女子高生をチラリと一瞥したが、どうもこちらが見たことには気付かない癖に、自分が見ていることに相手が気付いていることにも気付かないらしい。
良くも悪くも一般人だ――女はそう確信し、女子高生に特にこれといった注意を払っていなかった。
『ヘイヘイそこの可愛いカノジョ! これから私とお茶しない?』
「……」
一瞬の思考停止。
生命の危険には慣れたし、思考停止は死に直結することもよく知っている。
だが、まさか、ここまで予想の斜め上を全力で突き抜けていく展開は流石に誰だって思考停止するだろう。事実、戦争をいくつも渡り歩いてきたこの女がそうなった。
取り敢えずは状況の確認だ。
隣に立っていた女子高生が突然変な日本語で話しかけてきた。
ヘイヘイ彼女なんて言ってる奴ここ10年くらい見たことがない。
ちょっとだけ力を使って店内を探る。
店内に居るのは自分、女子高生、店員だけだ。
店員は男の筈だし、先程の女子高生が声をかけたのはどうやら自分らしい。
了解、分かった。
……否、分かってない。
どう考えたってこの女子高生が自分より年下で、しかも同性には普通かけない言葉だ。
一体なんだこいつは。
不意に最後に自分がヴォトカを入れたのはいつだったか気になった。今はほぼ素面の気がする。寧ろこの女子高生が素面なのか疑わしい。
じゃあこれは白昼夢か。いやいや、こんな鮮明な白昼夢があるものか。夢は寝ている時だけで十分だ。
するとこれは現実に起きている事態なのか、思考よ戻ってこい。
女の頭の中では女子高生の方に振り向く数瞬の内に様々な思考が飛び交ったが、結局この状況を理解することは出来なかった。プラハの戦いがピクニックに思える。
なんと返すべきか。
Ах……Извини, я не поняла вопрос、違う(ニェット)、もしかしたら彼女なりの冗談かもしれない。この状況自体が質の悪い冗談になりつつあるが。
兎も角、冗談には冗談で返すべきではないだろうか。
ここまで考えるのに3秒ほどの沈黙を作ってしまったが、幸い日本語はある程度の「沈黙」が許容される言語だ。多分。
女は振り向くまでに1秒、怪訝な顔で振り向いてから2秒程沈黙していたが、静かに口を開いた。
「……可愛いカノジョ、って誰だい? あんたのことかな?」
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