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Re: 白の帝王は笑わない ( No.3 )
日時: 2017/01/22 18:27
名前: ふぁいら (ID: zflF3NFd)

童話の世界、王様の支配する時代の長きにわたり繁栄の歴史を築き上げてきた冷たい帝国と、その国と今は滅んでしまった小国とを隔てる巨大な雪山トーデンタルの頂に位置する氷の宮殿を往復しながら繰り広げられます。

その昔、雪の降り積もるトーデンタル山の向こうには、かつて「氷の国」と呼ばれる小さな国が存在しました。その国の者達は皆、普通の人間とは違い、手をかざし念じれば氷を造り出す事が出来、それを自由自在に操ることができる「氷の民」と呼ばれる民族の者達でした。

しかし、人間さえも凍らせてしまう驚異的な魔術の存在に、トーデンタル山の反対側の帝国「ザミェルザーチ」の王は危機を覚えるのでした。王は軍を率いて、危険分子たる氷の民の王国を焼き払い、逃げようとしたり立ち向かってくる者達も全て皆殺しにしてしまいました。

そんな惨劇の中、氷の民の少年がただ一人だけ何故か生き残ったのです。
幼い彼はまだ能力をうまく操れず、抗うこともままならない。王は彼を殺そうとしましたが、その子の幼さに心を痛めた王の腹心がこう口添えしたのです。

「その子が自分の力を自由自在に操るようになれば、それが我が国の軍事力となるのなら、どうでしょうか?」

その日より、少年は故郷と家族を失い、見知らぬ大人たちと手を引かれ、彼らの国の軍事兵器として王宮に迎えられました。

そして少年が青年となり力の使い方を覚えた頃、ザミェルザーチの帝国は少年の力を以てして他国に次々に宣戦布告を出しては勝ち続け、見る見るうちにどの国にも劣らぬ軍事国家となりました。
彼が100人もの兵隊を凍り付かせることが出来るようになった頃には帝国を恐れる者など誰一人おらず、ザミェルザーチは「まさしく怪物国家」とまで称されるようになった。
青年のことは軍事機密とされ、国民たちが彼の存在を知ることはありませんでしたが、他国から流れてくる噂話、その程度では知っている者も少数はいたかもしれません。
されどそんな折、年老いた王は死んでしまう。国中が彼の葬儀に顔を曇らせる中、偶然だろうか。氷の民の青年は何処かへと行方をくらませるのでした。――――所説御座いますが、現在ではもしかするとザミェルザーチ王は眠っている間に亡くなったのではなく、氷の民の青年が殺したのではないかと宮殿では噂されています。動機ならたくさんありそうですが……彼が犯人である証拠など御座いませんが、真相は闇の中です――――

一体、彼が何処へ姿を消したのか。
その通り、雪山トーデンタルの山頂に自身の魔力を以て氷の宮殿を築き上げ、其処にただ一人で引き籠っているのでした。
誰かが山に足を踏み入れようものなら、ザミェルザーチ人であろうと、今は懐かしい氷の国の向こうからやってきたものでも構わず癇癪の様になだれを起こす。

トーデンタルの山頂を我が物とし、誰にも己の孤独を邪魔させない白を支配する帝王―――それが彼が白の帝王と呼ばれる所以なのでした。

しかし、また事件が起きる。
彼は突然に雪山を降り、ザミェルザーチの帝国へと再び足を踏み入れたのです。誰からも気付かれぬように顔を隠して。そもそも、彼が実在することを知っている国民など、城に仕える正規兵程度でしょうが―――1人きりの孤独に退屈したのか、それとも何か他に理由があるのか、彼は“ある子供”を見つければ、声をかけて自分の住まう城へと連れて帰るようになったのです。

それは、この世界に生まれ落ちた悪魔の生まれ変わりと呼ばれる“氷心臓”を持つ子供達でした。尋常では考えられない様な非道な物言いや行い、壊したり傷付けたりをいともたやすく行ったり、それが元々の気質と言う程度以上に、心に沁みついている。そのせいで誰からも愛されず、受け入れられない孤独な子供を、自分の城に迎え入れるのでした。

この物語は、白の帝王と、彼に連れ去られた子供達と、彼らの魔力によってこの世に造り出された彫刻達の日常系ゆるゆるストーリー型スレッドで御座います。
どちらかと言うと交流重視でストーリーの方はぬるく進められて行けたらよいかなと考えております。イベントにおいて、人間のキャラクターもちょこちょこ募集したり致しますので、よろしくお願い致します。

少しでも興味を持っていただけたなら、幸いで御座います。