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Re: 白の帝王は笑わない (開幕) ( No.80 )
日時: 2017/03/08 18:14
名前: ろっか (ID: 5obRN13V)

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自分から距離をとろうとしたイヴァンの背は、直ぐ後ろの本棚にぶつかった。スティーリアと目を決して合わさない彼はどこか居た堪れないというような表情を逸らし、ゆっくりと口を開いた。そこから零れてきた言葉にスティーリアは、

「はあ!?貴方何してるんですか!いやまあ予想してましたけど昨日の夕食後から!?」

と怒鳴った。

「徹夜しても何の問題もない!?どの口がいうんですか!貴方前にも同じようなことして倒れたのお忘れですかこの沢山の知識の詰まった頭のどこにやったっていうんですか!!!」

きゃんきゃんと犬のように吠えながらも、彼の二言目によってその続きの言葉が止まった。先程までの威勢は何処へやら。急にしおらしくなった彼女は彼から少しずつ離れていく。

「貴方、以前眠ることも食事をとることもせずに皆に心配させたこと覚えてないんですか?あの時、私がどれ程焦って眠りっぱなしの貴方を見て、泣いて喚いたか知らないでしょう。」

自分の主人が、大事な主人が、自分が気付かなかったせいで消えてしまうのではと怯えたあの日。小さな声で、言葉を紡ぐ彼女は下を向いていて、自分の足元を見ているようだった。

「私は人間じゃありませんし、貴方に作られて10年も経ってない世間知らずなものです。人間の身体の仕組みやら何やらそんなもの、今でも知らない事は山程あります。それでももっと知りたいと思いますし、物知りな貴方の彫刻だと貴方の顔に恥じないよう頑張って物事を覚えているつもりです。」

スティーリアは顔を手で覆い、微かに震えている声で呟いた。

「貴方はもっと自分を大事にして下さい。」

数秒の沈黙の後、スティーリアは息をついてくるりと彼に背を向けた。扉の前まで歩くと、振り返らないまま告げた。「朝ご飯はもう出来てますから」とだけ言うと、来いとも来なくて良いとも言わずに、イヴァンの返事も聞かず書斎を出ていった。




【くっそ長文になりましたまじで申し訳ない( ;´Д`)そしておっそい!ごめんなさい!】