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Re: レディーシンデレラと灰色の悪夢(募集中) ( No.24 )
日時: 2017/04/09 19:17
名前: ふぁいら (ID: zflF3NFd)

>>双葉様


ノックの音が軽やかに響き、まるで鈴を転がす様な少女の声が礼儀正しく挨拶するのを聞いた。
ああ、ついにこの時が来てしまったのだと実感すれば、僕の胸と足は何処までも重くなるようだった。
外部の人間をこの屋敷に招き入れるなどと軽はずみなことを考えながら、その人がやってくる当日になってふらりと姿を消しやがった僕らグレイの頭役に強い恨みの念を飛ばしながら、僕は応接間から玄関へと移動した。彼はついに約束の時間になっても現れなかった。そんな時大体の奴が「まあ、あいつらしいよね」と軽く言うけれど、断固として僕はそのキャラで許される暴挙を許さない。許しはしない。

肝心な時に姿を消してしまうのは、確かに始まった事ではないが、その仕事は他に適任者がいないからと僕が執り行うことになる。まあ僕も他の奴に任せるのは心配だから結局引き受けてしまうのだけれど、もっと彼がしっかりしてくれればいいのにと思う。

「そうすれば、僕がこんな風に気張ったりしなくてもさあ……」

大きく深呼吸をするも、それは深いため息へと変わってしまう。情けない自分の頬を一度ぴしゃりと叩くと、僕はにっこりと笑顔を作り、ドアノブを手前へと引っ張った。

ああ、憂鬱だなあ。しかも今日来るのって――

「ようこそいらっしゃいまし。……君は今日から行儀見習いとして此処で預かるって話の子だよね?」

象牙のような白い肌に、金の巻き毛と鮮やかな赤い瞳が良く栄える。ともすればその鮮やかな髪や眸とは裏腹に、頬の色は仄暗いような、不健康そうな“少女”
見るからに柔らかな表情を浮かべる彼女でさえ、何を考えているのかなんて計り知れない“女”だ。

これからが憂鬱だなあ。ただでさえ性根の腐った怪物みたいな女だらけの屋敷なのに、また女が増えるなんて。そんな屋敷なのに、行儀見習いに来るなんて、あいつも、向こうの親も、一体何を考えているんだろう。甚だ不思議だ。

 「僕はパールグレイと言って……今日は家長代理の代わりなんだけど、君、名前だけもう一度確認させてもらってもいいかな」


(お、遅くなりました……。シェイクスピアも読みますが影響を受けているかどうかは(( でも、古典的な書き方をしたいという気持ちが出ているのかもしれませぬ<m(__)m> )