オリジナルなりきり掲示板
- Re: (大募集中/本編開始)永劫のネクロダンス ( No.27 )
- 日時: 2017/07/30 17:53
- 名前: 比良坂 (ID: UlJE/3RE)
- 参照: 遅筆ですいません…;;
>>サーカステントALL
【ヴィンツェンツ=フォン=メーメル/サーカステント】
気合いを入れてテントの入り口をくぐる。目指すは観光組が帰ったきた時に「きゃー!団長!ありがとう!」と称賛を浴びる事である。そして、いやいや、これくらい団長として当たり前のことさ!なんて返すのだ。ふふ、ふふふ……と不気味に笑いながら、半ば意識を想像世界に飛ばしつつ手を動かしていれば視界が狭まるのは当然のこと。ヴィンツェンツにとっては唐突にかけられた声に反射的に身体は跳ね上がり、ついで「はいぃッ!?」なんて情けない声も出し、その勢いで振り向けば視線よりやや下方に見慣れた姿を視認。そこでやっとほっとしたように顔を緩めた。我がサーカス団の頼れる副団長、付き合いも一番長いとくればヴィンツェンツは軽やかな声音で応える。
「やー、ベンジャミン。外に姿が見えないと思ったら中で作業をしていたんだねぇ。きみもお疲れ様」
しかしベンジャミンの呆れ気味な声色を聞き取ると途端に顔を白くさせる。先程は半分妄想に浸りながら荷物を移動させたりしていたため、それに関する記憶が限りなく薄い。やらかした、と言わんばかりの表情で恐らく何のジャンル分けもされるただ適当に積まれただけの荷物とベンジャミンを交互に見た後、「……ちゃんとメモとりながらやりまーす……」としょぼくれたように言った。
メモ、メモ……それくらいは大人の嗜みとして携帯いたはずだとあらゆるポケットを探っていると、突然背中に感じた重量にヴィンツェンツは再び情けない声をあげた。間延びした独特の言葉遣いとこの遠慮の無さ、該当する人物は一人しかいない。
「やぁ、リーリア。私は見ての通り荷物整理をしているところだよ。うん、そして見ての通りちょっとやらかしちゃっているんだけどね! 手伝ってくれるととても助かる。ああそれと、声を掛ける時はもう少し穏便に。寿命が縮むような心地がしたよ……」
眉根を下げて困ったように笑い、丁度良い高さにあったリーリアの頭をぽんぽん、と優しく撫ぜた。ベンジャミン程ではないにしろ彼女も何年共にいたかを数える方が面倒なくらいには古い付き合いだ。己の行動も発言も、この男には蔑ろにされるわけがないと思っているであろう自信たっぷりな態度が逆に心地いい。が、そんな彼女が一瞬”らしくない”表情をしたような気がして、しかし気がしただけか、と見なかった事にする。この子は何年経っても触れていいことと触れてはいけないことの境界線がよくわからないから難しい。
「じゃあリーリアには何をしてもらおうかな、力仕事はさせられないし…………ん、その声はクレアちゃん?」
探し出したメモを片手にリーリアにもできる事を考えていると、今度こそは変な声を出すことも身体を跳ねさせることもなく新たな来客を迎えることができた。その事に若干機嫌を良くさせて笑顔で振り向けば、案の定クレアと彼女に抱えられた……確かワイアットと呼ばれていた子虎が目に入る。「その子がどうかした?」、最近飼いだした猫にするのと同じ要領で目線の高さを合わせつつ問いかけて、柔らかく笑んでみせた。
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