オリジナルなりきり掲示板
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.16 )
- 日時: 2017/07/21 01:52
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: DxncmFYg)
【中央街にて/ヴェールニル】
前ではなく、横でもなく、何一つ見えることのない背後から声をかけられたヴェールニルはその肩を大きく震わせた。ちょうど、いつもの卵を手にとった時である。生まれて何千年単位で不器用のヴェールニルだ。皆の想像を裏切らない、むしろ何故そうなったと言われんばかりに綺麗な放物線を描く卵たち。そうして、手に取っていた卵たちをもれなく全て地面に叩きつけたヴェールニルは、その瞳にじんわりと涙を溜めながら、「おっ、お見苦しいところをすみませ……、あわわわ。」と、声をかけてきた男性と、鬼のような形相(しかし、これが思い込みだとは気づいていないようだ)の店の主人とを見る。
「ちょっ、ちょっと、ちょっと待っててください。卵の代金、払ってこなきゃ。でも、家で買うようのも買わなきゃだから、新しいのも持ってこな……きゃっ。」
慌てて目を回しながら、再度手にとった卵をもつるりと手を滑らせた。悲しきかな今度は二割が割れずに綺麗な姿を保っている。いよいよ情けなくなってきた。後ろに男性は優しく声をかけてきただけなのに、何故ひとりで目を回して、あまつさえ、店側にも迷惑をかけている。そうして泣き出す前に、店の主人が「お金、一パック分でもいいから落ち着いて。」なんて言ってくるものだから、涙をこらえてお金を渡すのが精一杯だった。結局、何も買えずにしょんぼりとしながら、ヴェールニルは改めて男性に向いた。
「お見苦しい、ところを、申し訳、ございませ……、」
ようやっと言葉を紡いで、相手の顔を見た。まさに、涙。その美貌は大陸の人間だったら言葉を失うほどである。が、彼の頭にぴょんぴょんと縦横無尽にはねる寝癖のほうについつい目がいってしまい、はねる寝癖を視線でおってしまった。
「あっ、えっと、そう。初めまして、かしら。」
>>15
【赤の教会/ミッドナイト】
愛を、赤と例えるならば、私の色は悲しい夜の色。私はそんな夜に流す涙にはなりたくないから、毎日、誰かに愛を囁いて、一夜の真っ赤な愛に燃え、そうして朝にはほんの少しの香水の匂いを残して、色もなく消えるのだ。私はミッドナイト。真夜中の、私である。最近はめっきり女遊びもしなくなったが、赤の教会の前に立つと否が応にも一番最初の女を思い出す。まだ、何百年に渡り、愛に焦がれ、恋をし、この教会の前で愛を誓ったあの時を、私は何千年も忘れずに、今こうして赤の教会のベンチに何をするわけでもなく座っているのである。自分の隣に座る人なんてものはいないのに、綺麗な一人、座れるスペースを設けて、ミッドナイトはその髪を風に揺らしている。
「心地いい風だ。私が愛を囁くにはこういうゆっくりな風がいい。言葉のひとつひとつが、貴方の耳に届くように。」
誰に言うでもなく、ミッドナイトはそう呟いた。もはや、癖となっているそれをどこの誰が、聞くのだろうか。
>>ALL
【ミッドナイトのALL文も投げてみました。ミッドナイト、なぜか過去に何かありそうな文章になってしまって書いた本人がフフッってなってます。】
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