オリジナルなりきり掲示板
- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.47 )
- 日時: 2017/10/29 03:33
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: DxncmFYg)
>>46
【緑の草原にて/ヴェールニル】
五千年の時を生きてきた。自分にはきっとその中で、悲しいことも、寂しいこともたくさんあったんだと思う。こと寂しさにおいては毎夜ひとりのベッドの中で自分自身を腕で抱かなくては寝れないほどに、とびきり深いものが。それでも、同じくらいに楽しいことも嬉しいこともあった。常となってしまった寂しさを数えなければ、確実にヴェールニルは幸せな類だ。春の日差しのが差し込んでいるかのような心は、未だ冬を知らない。
「私は、貴方より一万年ほど若いんです。でも、嫌なことも辛いことも、三分の二以上は忘れてしまいました。いつか大事なことまで忘れてしまうぞと知り合いには言われますけれど。」
真夜中の彼に、いつか言われた言葉だ。これを言われたのがいつかも忘れてしまったけれど。
「あら、本当? では、また今度のお約束ですね。一人よりも二人の方が絶対にいいもの。とても嬉しいです。」
なんで、こんなにも優しい人を私は忘れていたのかしらとヴェールニルは思った。こんなにも優しい人なのだからきっと前にも優しかったに決まっているのだけれど、どうしても、どうしても。それはもう名前も顔も忘れるくらいには彼のことを記憶に留めていなかった。記憶力に自信がないわけではないけれど、目の前の彼を見ていると、自分はもしかしたら普通のラルムより記憶力がないのかと心配になってくる。しかし、きっと彼女が彼の記憶を彼方に流したのは正しい判断だったのだ。彼のこの優しさに包まれたのは、今日が初めてなのだから。
「そう、春が好きなのですね。温かい季節が好きな人はやはり優しくなるのかしら。あなたみたいに。」
似合わぬと避けてきたと彼は言うが、優しい彼にピッタリの季節だと思った。その冷たい色が春の月を愛でる姿は、自分には想像に難くないけれど。
実際に花畑の中に行ったら、きっと彼は誰よりも映えて、誰よりも美しく映るのだろう。そう考えていると、アズライトが自分はどの季節が好きなのかと問うてきた。
「寒いのは苦手だと言ったばかりだけれど、私は冬が好きなんです。暖かい暖炉の前で椅子に座って読む本が何より好きなの。それに、寒いと人が寄り添ってくれるでしょう。夏だと暑いと離れる手でも、冬では両手さえ繋いでくれるから、冬は好きなのです。」
これが、誰との思い出かなんてことは言うだけ野暮だけれど。
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