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Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【募集開始】 ( No.52 )
日時: 2017/11/02 12:37
名前: 流沢藍蓮 ◆50xkBNHT6. (ID: GfAStKpr)

>>51
【緑の草原にて/アズライト】

 秋が過ぎて冬が終わった後のあなたを見てみたい、と彼女は言った。
 その言葉を聞いて、アズライトは思うところがある。
 もうそろそろ季節は秋になり、やがて冬が来る。そしてその後で冬が終わり、春が来る。
 彼の心は季節とは対照的に少しずつ春へと向かっているけれど。季節が真に冬を終えて春へと向かうとき。心と季節の向かう方向が同じになる時。
 氷は、溶けるのだろうか?
 彼女との会話の中で彼は、今までは思い出すとつらいからと言って封じていた喜びの記憶を、鮮明に思い出すことができるようになった。彼に「忘却」なんて存在しないが、意識すれば「思い出さない」ようにすることはできる。しかしどこまでも真っすぐな彼女を見て、封じられた記憶が痛みを伴わずに心の内に吹き出してきた。
 春になったらお茶でもしましょうと微笑む彼女。彼はその言葉にうなずいた。
 深く、深く。

「ああ、また一緒に、こうやって話そうか。伊達に長生きしているわけじゃない、春になったらどこよりも美しくなう場所を僕は知ってる。そこへ……案内するよ」

 冬が好きだと言った彼女に、春の美しさを知ってもらいたかったから。
 それが、自分に春をくれた彼女への、恩返しになると思ったから。
 話しているうちにいつの間にか朝は過ぎて、時刻は昼に移りつつある。
 アズライトは眩しそうに空を見上げながらも、こう提案した。

「そうだ、折角だし、どこかで昼食にしないか?」


【明後日から用事のため、四日間返信ができなくなります……】