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Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.76 )
日時: 2018/03/01 22:30
名前: 宝治  ◆wpAuSLRmwo (ID: fQkNQwJA)

>>75

【青の塔/ゼフィール】

「なんだって、2023回も数えたのかい?うわあ、そりゃすごい記憶力だな。けれど、そこまで鮮明になんでも覚えていると苦労しそうでもある。僕なんか貴方よりよっぽど若いくせに、辛いことや悲しいことはすぐに忘れてしまうんだ。ま、それがどこでもやっていける秘訣なのかもしれないね」

冗談交じりに軽く片目をつぶって見せる。
……正確には、意図的に忘れるのだが。宝物を無くしたことも、誰かとの別れも、あの人が自分を思って流す涙も、忘れるまで、薄れるまで、記憶の奥にしまっておく。
でなければ、それは澱のように薄く幾重にも積み重なり、しまいにその重さで心の底が抜けるような気がするからだ。

「――島の外かい?もちろんだとも。ふふふ、並のラルムよりは大陸通だと自負しているよ。
氷柱を送り届ける船にお供させてもらうのさ。実際に品を卸すのは他の連中に押し付けて、僕はとっとと市中へ遊びに行くんだけど
……っと、これはここの管理人には内緒にしといてよね」

ミッドナイトとのおしゃべりが楽しくてうっかり秘密を漏らしてしまい、慌ててあたりを見渡す。
幸いにも管理人とうにんは近くにいないようだ。ただ、暖炉にくべた薪がいよいよ赤く燃えているだけである。
ぺろりと舌を出してから話を続ける。

「で、あちらで何をするかというとだ。ざっくり二千年くらい前までは、市場でよく分からないガラクタを買いそろえては悦に入っていた気がする。でも、そのうち部屋がモノで溢れちゃって、床が抜ける寸前だったんだって」

さすがにこれではだめだということで、ガラクタはそのほとんどを処分し、ほんの一部を親しい者へ押し付けた。購入当初はどれも二束三文だった陶器や玩具達だが、なかには時を経ることで博物学的な価値が付与されたものもあったようだ。
そんなことお構いなしに無差別に全てを手放してしまうところが、気まぐれな西風の所以なのかもしれない。

「モノは残るし溜まる。蒐集はだめだね。だから買い物は土産か、食べ物だけにしている。今では人間とぼちぼち言葉を交わしたり、観察したりすることの方が楽しいしね。
――ところで、ミッドナイト。今度は僕が質問したいな。貴方の秘密を垣間見たい気分なんだ。
大陸へ行った時は一体何をするの?人と話したことはあるのかい?」

【いえいえ、むしろ私の方こそコンスタントに遅筆なので……。ゆっくり進行で行きましょう~】