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- Re: 【中文推奨】かみさまのラルム【参加者募集】 ( No.77 )
- 日時: 2018/03/04 19:19
- 名前: ゆきしま ◆BV.fqgxxRU (ID: IhKpDlGJ)
>>76
【青の塔/ミッドナイト】
「いいや、私は記憶力が特別良いわけでも、悪いわけでもないさ。ラルムに生まれた以上、神様から産み落とされた以上、私が神の非創造物、人間を想うのは許されないことだ。この数は私の罪の数だよ。決して忘れぬように日々書き留めているんだ。」
君を否定しているわけではないよ、これは私の、私に対する考え方だから。
そう一言、ミッドナイトは改めて椅子に深く腰掛ける。自分の腹の上に今までの罪がのしかかってきたような心地に、ミッドナイトは食べ物を口に運ぶ手を止めた。日々過食気味な自分にしては、いつもの三分の一しか腹に収めていない状態にも関わらず、もう胃の中には十分食べ物が詰まっているような気がした。
(しかし、似ているな。)
話していくうちに、彼がヴェールニルと姉弟だということが徐々に理解できるようになった。この姉弟は、辛いことや悲しいことを“忘却していく”のだ。ただ、その忘却の仕方が同じだとは限らない。それでも、ヴェールニルは確かに自分に言ったのだ。おおよそ、彼と同じことを。勿論、そんなことを彼に言えるはずもなく、一瞬彼と重なった彼女を、懸命に振り払うことしかできなかった。
そんなことをひとり、己の中でやっていると、ポロリとゼフィールが自らの秘密を明かしてしまった。そこまで重要な秘密ではないにしろ、うっかり明かしてしまった彼に、ミッドナイトは少し笑った。
「大丈夫、私は口は堅い方だよ。君の秘密、しかと受け取ろう。と、言ってもそれは緑の塔の住人たちの仕事なのだからどっちにしろ咎められないのではないのかい?」
自分が青の氷原にいた頃も、そんな仕事をしていた覚えはない。自分はもちろん、他の労働者たちもだ。それとも、リーダーだけに強いられる仕事なのだろうか。前の管理人にはそんなことを聞いたことがなかったから、知らないが。
「私かい? 私はあちらに行っても特に何をするというわけではないよ。欲しいものは大抵輸入されてくるからあちらで買う手間はかからないからね。人間とはあまり関わらないな。ああ、でもこの前は花のお嬢さんが私の元へと足を運んできたからね、心苦しいが、刹那の愛を囁いて逃げてきたよ。人によっては酷なことだと言われるかもしれないが、恋の炎に身を焦がす気持ちは、辛いと同時に生きている証だとわかるからね。彼女はきっと傀儡になることはないのさ。そんな感じかな、つまらない涙だろう。」
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