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>>46

「内容は……まぁついてからでいいや」

　威勢のいい返事だな、と内心思いつつ、タクシーのドアを開ける。
　大体、こういうことは部下がやるものだが、最近他の幹部から寄越されたこの新入りはどうにもこうした慣習に欠けている面が多々ある。
　エウラ自身この「乗車は目上の者が先」の慣習はあまり好きではないので特に気にすることもなかったし、いちいち言おうとも思わなかったが、これから先ずっと自分の下で置いておくわけにもいかないだろうし、身内は兎も角誰かにこの様子を見られたらエウラ自身の評判に響きかねないので、こうした慣習の数々を教えておくことも考えねばならないかもしれない。
　そんなことを思いながら、運転手に目的地を告げる。