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>>59
「む……君は……」
クーゴは唐突に現れた袴姿の少女の存在に気づくと、空悟は煙草を口から離して彼女の方へと身体を向けた。まさか自分の後ろから美少女が現れるなんてなんてこうう…じゃなく、徒ならぬ奴と見受けた。何者かと思う程に身体が反応したが、自分の弱みは相手が女子である為に武器なぞは出す事はできなかった。
如何にも格好が此処とは合わない少女は自分に声を掛けた事は、裏の奴等……いや、確認せずにそう決め付けるのは癪か……。

「おうとも、煙草が欲しいんだが……もう持ち合わせがこれしか無くてな」
ある筈の無い煙草を服装周りを探し回す。そして苦笑いをしながら、手にある火の付いた1本の煙草を親指と人差し指で摘み弄る。
この都市だ。何が出るかなんて解りはしないから、一応警戒は怠らない。これ、「下っ端」の基本要素の一つ……いや誰でもするか。