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「お、わ、なんだか至れり尽くせりだなあ？　適当に洗ってなんか巻いときゃ大丈夫だと思うんだが……、ここはお言葉に甘えておくかねぇ」

　三人に話しかけるや否や、揃って自身の傷について触れられたじろぐも、心配されて嬉しくないわけがない。少し照れくさそうに治療を受ける体勢になった。
　治療されながら少し話そうぜ、といったアランに「おー、そういやこの前、結構いい“穴場”を見つけたんだ。後で教えてやるよ」と言って頭をぽんぽん、と軽くなでた。穴場、とぼかしたがニュアンスで分かってくれることだろう。治療を申し出たロイには「ほんと、今日は珍しい事づくしかぁ？」なんておどけたように笑った。この調子で少しずつ、心を開いてくれればいいのだが。そんな希望を抱きつつ。

「あぁ、シャーロット。中に入るならこれ、ついでに牧師さんに渡しておいてくれよ。あと、傷はチンピラ共に絡まれただけ、だから気にしないでな」

　流れるように虚偽を述べて、中に戻る途中のシャーロットに金の入った袋を投げ渡した。