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【海姫】

私の願いは自由だ。
海賊になって、海の上で他の族達から財宝を奪い、宝地図を辿り、秘跡から宝を持ち去り、金や食料を取って、仲間という奴等と馬鹿やって生きるのが私にとっての最高の生き甲斐だった。

あぁぁぁあぁあぁ！＿＿＿＿＿

溺れ………溺れる………！＿＿＿＿＿

財宝には売れば食料や武器が手に入る調達品に過ぎない。
仲間と財宝を求め、海を歩くのが楽しくて仕方が無かった。


船長！、助け＿＿＿＿＿。






そんな今の私に、仲間はいない。
海で死に絶え、骨を海に落とし、傷だらけの船に乗るのは私一人。
一番恐ていた孤独の時間が、
私の生きる術を潰していく、
希望が薄れていく、
何時までも血の海を渡らせる。

生きる意味などない。
死にたい。
海に飛び込み、そのまま＿＿＿＿。


海に身を投げた私は、目を開けると、何故か大船に一人舵を取っていた。

その目の前には広い海に立っていた一人の王子様。

彼が、私を助けたのか？。
何故、生きる意味が無くなった私を助けたのか？。

だが王子様は何を思ってか私の帽子を持ち去っていったのだ。


私は悟ったのだ。
次に仲間にするは、
貴方なのだな、と。

ならば私は、帽子を取り返すと共に、
貴方を仲間にする。

その欲望から現れた魔法使いは彼女に海を司る力を授け、彼女の願いを導かせた。


そして彼女は、白馬の王子様に会うために、孤独なる大船の旗を掲げた。