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Re: 【日常・恋愛】妖蓮町の日常茶飯事【なり開始/中文/募集中】 ( No.35 )
日時: 2017/10/21 17:44
名前: 流沢藍蓮 (ID: GfAStKpr)

>>33
【夏下旬の昼前/暁荘入口】


「うわあ、今日も晴れたねぇ」

 晩夏の空を見上げながらも、風恣はそんなことを呟いた。
 彼は誰か遊び相手がいないかと町の中を歩き回っていたのだが、生憎とこの暑さだ、そうそう外出する者がいるわけもなく、結局暁荘に戻ってしまったのだ。
 太陽は夏の終わりというのに痛いくらいに輝いて、皮膚をちりちりと焼いていく。
 変わらぬ毎日、変わらぬ暑さ。今日も今日とていつも通りだ。
 他の人たちもきっと、この暑さには辟易していることだろう。しかし風恣には、

「うん、風起こせるって便利、便利!」

 風を起こせるうちわがあるのだ。彼がそれを軽く振れば、通常の何倍もの風が吹いてきて涼しい。
 風を起こせる鴉天狗の特権であった。だから彼は、夏が嫌いではない。

「暇だなぁ」

 こんな鬱陶しい夏の日に、積極的に外へ出ようとする妖もそんなにいないだろう。彼は退屈で退屈でたまらなかった。こういった場合、自分で何かをしなければ退屈はまぎれない。

 風恣は不意に、たまには自分もみんなのためになってみようかな、なんて思い立った。
 そう、それはあくまでも退屈しのぎ。誰かを涼しくしてあげて、ついでにその人とおしゃべりするのだ。
 そんなことができるのか? 答えはイエスだ。彼の手にはこのうちわがある。それを利用すればいい。
 彼は名案とばかりに手を叩いた。

「名付けて、風でみんなを涼しくしよう作戦!」

 手始めに誰をあおいであげようかななんて思った彼は、向かいの酒屋に、暑そうにしている男を見つけた。
 暇を持て余していた彼は、目を輝かせて男に言った。

「ねぇねぇ朱楽さん! 僕が少しは涼しくしてあげられるけど、良かったらどう?」

 ついでに暇つぶしのための話相手になってくれたらうれしいなぁ、なんて彼は思った。
 見せびらかすように、彼は手元のうちわを振った。


【琉季様、絡んでもよろしかったでしょうか?
 あと、アンカーってこんな感じで合っていますか? 少し自信がないものでして……。】