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その本を燃やすのが目的でもあったが、近頃ここの掃除をしていないので
あちらに掃除道具が置いてある以上、やむを得ないと溜息をつき、交渉を
OKする。

「わかった。燃やさないからとりあえずそっちの掃除道具とってくれ。
　ここで風を使うと本が踊りだす。」

［”踊りだす”じゃわかりにくいんじゃないの？要は、風使ったら本が動いて
　滅茶苦茶になるって事でしょ？］

クスクスと笑いながらリールがそう返すと、しかめっ面で話し始める。

「ああ・・・昔発動させたら片づけに３時間かかった・・・。ってか笑いごと
　じゃないだろ！」

とすこし怒りながらリールに言う。

【お久しぶりです。
なかなかタイミングが掴めなくて・・・】

「あ、アロさん、どこに行くんですか！？」
突然どこかへ行こうとするアロさんを呼びながら、後を追った。
〔猫から人になっても違和感なく動くんだね〕
「元が人間だからじゃないですか？」
〔そっか。やっぱ覚えてるもんだねぇ〕

後を追うと、古い建物にたどり着いた。
「これは・・・・」
〔人間が作ったものだ。かなり昔、エタンセルにいた人間が作ったんだと思う〕
「へぇ・・・・」
話していると建物の中が騒がしかった為、急いで中に入る。
するとアロさんとリールさん、カーナと、

もう二人、人がいた。
〔あ、おーい！カーナ！・・・・ってあの人誰？〕
アネモスがカーナさんに呼びかけると同時に二人を見て首をかしげる。
〔ヴィー、知ってる？〕
「・・・・・見た事あるような無いようなです」
〔知らないって事でいいんだね？〕
「はい・・・・」
〔まぁいいや。アロ、ここに何しに来たの？〕
アロの方を向いてアネモスが言う。

いつの間にか来ていたのに少し驚くが、着いてきたんだろうと考える。

「ああ・・・ここは昔使ってたし、結構いろいろあるからな。埃を
　かぶったままじゃ勿体ないと思って掃除しに来たんだ。」

そう告げると、掃除道具の中から木の板と釘とトンカチを取り出し、
腐っている部分に上乗せして強度を上げる。カーンカーンと音が
鳴り響く。

「リールも手伝ってくれ！」

掃除道具の中にもう一つあるトンカチと複数の木の板を指で指して、
そう伝える。リールはトンカチを持つと、同じ様に腐った所に木の
板を打ち付ける。ある程度頑丈になったのち、リールは雑巾掛け。
アロははたきを掛けて本棚を綺麗にしていく。

【遅くなって、ごめんなさい・・・】


「あ、ヴィーとアネモス！一緒に来たんだねー！」
後からやって来た二人に笑顔を見せる。
その二人もやはり、クラウスとルゥを見て首をかしげた。
（クラウス、知ってる人いるかな～って思ったけど少ないなぁ・・・
ミロワールやクロンなら知ってるかなぁ）

「・・・確かに、ここ結構古いもんねー・・・
気付いたら出来てたし。誰が作ったんだろうねー」
周りを見ながら言う。
ちょうどその時に、棚に戻していない本を見つけた為、拾って本棚に戻した。