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>>166

（パルメフ、アイビーの裏カジノにて）

青年はサンディに向かって社交的な笑顔を送った。

「そうだね、僕は君達のことを知っているのに君達は僕を知らないだなんてフェアじゃない。ならば紳士的な僕は誠意をもってその問いにお答えしよう。
――シニョール、シニョリーナ、どうぞお見知りおきを。僕はアドルフォ。しがない弱小マフィアの幹部候補さ」

青年は立ち上がり芝居がかったしぐさで頭の上の帽子を取った。そしてぐるりと周囲を見渡し、あからさまにため息をついた。

「しかし君達、ひどいことするね～。ここはカジノだぜ？なのになんだいこのザマは。部屋はめちゃくちゃ、僕の部下も客人もみんな床でおねんねさせられちゃってさ」
「やいやい、マフィンだかマフィアだか知らないが、ここは僕のカジノだ！悪い取引していた奴がのさばるんじゃないよ！即刻立ち去り給え！ぐぬー、アロンからもなんか一言いってやってくれ！」

マフィアと聞いても剃刀毛玉パルメフは一向にひるむことなく食って掛かっていった。彼は口数では誰にも負けないウサギなのである。しかし、悪党アドルフォもパルメフなんて歯牙にもかけぬ様子だ。脇を固める屈強なガードマンは空気砲一発だけではやられそうではない。ぎろりと一睨みでカエルを殺せそうな形相である。

「ぐぐ……。いくら数が減ったからといって奴らは戦闘のプロ。しかも残った奴はかなり強そうじゃあないか。サンディ、僕たちだけで大丈夫…かな？誰か助けてくれる人はいないかな？」


【MRKさん、月猫さん
初めまして。これからよろしくお願いいたします。ちょっと変則的ですが悪役キャラやらせていただいてます。こちらのシーンに合流する場合はいつでもどうぞ。】